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震度7の建築経済学

上町断層地震の規模は阪神大震災の2.82倍

 近畿・中部直下地震の被害想定は、図1「近畿・中部直下地震の震源地」に示す13の地震を対象にして行われた。

図1 近畿・中部直下地震の震源地

 このうち、11の地震は活断層で発生するM7.0以上の地震で、二つの地震は地表で存在が認められない活断層を想定したM6.9の地震である。

表1 近畿・中部地震の想定規模

活断層 対象地震 M M倍率
猿投-高浜断層帯 7.6 2.82
名古屋市直下M6.9 6.9 0.25
加木屋断層帯 7.4 1.41
養老-桑名-四日市断層帯 7.7 3.98
布引山地東縁断層帯東部 7.6 2.82
花折断層帯 7.4 1.41
奈良盆地東縁断層帯 7.4 1.41
京都西山断層帯 7.5 2.00
生駒断層帯 7.5 2.00
上町断層帯 7.6 2.82
阪神地域直下M6.9 6.9 0.25
中央構造線断層帯 7.8 5.62
山崎断層帯主部 8 11.22

 13地震の規模を表すマグニチュード(M)を、表2「近畿・中部地震の想定規模」に示した。この表を見て分かることは、活断層で発生する11地震の規模が、M7.4~M8と阪神大震災のM7.3を上回っていることだ。

 表の右端に、13の地震のMを阪神大震災のMで割った「M倍率」を示した。大阪に最大の被害をもたらす上町断層地震(M7.6)は阪神大震災の2.82倍、名古屋に大被害をもたらす猿投-高浜断層地震(M7.6)も同じく阪神大震災の2.82倍の規模である。京都に大被害をもたらす花折断層地震(M7.4)は阪神大震災の1.41倍だ。

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