2007年11月28日(水) |
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全職員238人分の個人データなど |
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私用パソコンから 帯広市消防本部の2004年度時点の全職員238人分の個人データを含む業務情報が、職員(消防署勤務)の私用パソコンを通しネット上に流出していたことが28日、明らかになった。個人情報の持ち出しは内規違反で、同本部では当該職員を処分する。市では過去にも職員による個人情報の業務外閲覧が問題になっただけに、情報管理の甘さが指摘されそうだ。(能勢雄太郎) 過去に市の業務外閲覧 情報管理に甘さ 流出の事実を発見した総務省が今月15日、市に詳しい調査を指示した。当該職員の個人パソコンはファイル交換ソフト「ウィニー」を使用しており、ウイルスに感染し、同ソフトで情報が公開されたとみられている。 市によるとこの職員は05年1月、職員の勤務命令書の作成などに活用するため、各種データをフロッピーデスクにコピー。その後、自宅のパソコンで事務処理した。 流出したのは当該職員の個人情報を含む268件。このうち業務情報は36件で、内訳は「事務処理マニュアル」が3件、「公文書作成に至る文書」が9件、「実習・研修資料」が19件、「職員管理に関する公文書」5件。職員管理に関する公文書には238人の氏名、生年月日、血液型、階級、職員コード等が含まれていた。 市消防本部では、流出情報には一般市民の個人情報は含まれず、不正使用もなかったと説明。「公私の区別が混同した。市民の信頼を失う結果になり申し訳ない。情報管理に関する教育を徹底したい」と話している。 帯広市の情報管理をめぐっては、02年に職員による個人情報検索用パスワードの使い回しが発覚。その後も抜き打ち調査で住民情報の業務外閲覧の事例が明るみに出て、物議を醸した。対策として04年2月情報管理に関するセキュリティーポリシーを制定している。 市総務部は「職員全体にセキュリティーポリシーの順守を徹底させたい」と話している。 「ウィニー」利用、調査へ 帯広市は、消防職員の個人データがファイル交換ソフト「ウィニー」を介して流出した事態を受けて、市職員の個人パソコンでの同ソフト利用実態調査に乗り出す。使用している職員には同ソフトの利用自粛を促す。 ウィニーをめぐっては、4年前に同ソフトを使うパソコンを標的にしたウイルスが出現し、これを契機に自衛隊、警察、官公庁のデータ流出事件が相次いでいる。帯広市も利用自粛を呼び掛けていたが、懸念されていた事態が発生した。 市情報システム課では、個人でパソコンを所有している職員に対しウィニーの利用実態を調べ、使用しているケースには同ソフトの危険性を示し使用自粛を促す構え。同時に業務データの外部持ち出し禁止を徹底する。 同課では「緊急時など例外的にデータの持ち出しが認められるケースもある。ウィニーの利用はあくまでも個人の自由だが(使用は)好ましくないことを呼び掛けたい」としている。 ウィニー 特定のサーバーを経由せず、複数のパソコン利用者間で情報交換が可能なソフト。匿名性を利用し映画、音楽のコピーのやりとりが多いとされている。ウイルスが出現した4年前から、同ソフトを介した官公庁情報の流出が目立っている。 |
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