京都市の中心部で夜に働く人や食事をする人たちの「足」を便利にしようと、地元の商店関係者などが共同で事業組合「京都まちづくり交通研究所」を設立し、来月1日から河原町三条−京都駅間を結ぶ夜間バスを運行する。名称は「かわらまち・よるバス」。組合が市交通局に委託して走らせる例のない形態となり、地元からは「まちなかの活性化につなげたい」と期待が高まっている。
よるバスは、「河原町三条北」を起点に「四条河原町南」まで計4カ所の停留所を経由した後、京都駅まで直行する。始発は午後10時で午後11時半発が最終となる。この時間帯はこれまで既存路線の便数が少なかったが、10分間隔で運行する。運賃は220円。ダイヤは平日、土曜、休日とも同じ。
京都市が歩行者と公共交通優先のまちづくりを進める「歩いて楽しいまちなか戦略」で、地元の住民や商店関係者らと協議する中から、利便性向上や放置自転車対策として計画が持ち上がり、交通分野が専門の京都大の中川大教授とともに準備してきた。
同研究所代表で、錦市場で漬物販売店を経営する宇津克美さん(70)は「市に要望して対応を待つだけでなく、自分たちでやってみようと組合を立ち上げた。今後はバスの運行のほか、駐輪場の問題など交通問題にトータルに取り組んでいきたい」と話している。
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