旧清水市で1966年6月に一家4人が殺害された「袴田事件」で、再審請求している元プロボクサー袴田巌死刑囚(71)の弁護団(西嶋勝彦団長)は27日、都内で開いた会見で、再審を求める特別抗告の理由補充書を来月17日に最高裁へ提出すると発表した。 通算3回目の補充書提出は今回が最終で、弁護団は年明けにも最高裁に最終意見書を出し、早期に結論を出すよう求める方針。法的な支援活動は事実上終了することになり、最高裁がどう判断するか注目される。 補充書の内容は袴田死刑囚が犯行当時に着ていたとされる“5点の衣類”の矛盾点を指摘する新証拠。西嶋団長は「証拠品とされたズボンでは(小さすぎて)袴田さんがはけないことを科学的に証明するため、繊維業者に協力を得るなどして再実験した」と話した。 弁護団はこれまで昨年12月と今年5月に補充書を提出。5点の衣類に付着した血液が被害者のものであることが科学的に証明されていない点を指摘したほか、東京高裁が再審請求を棄却した際、新証拠に認めなかった心理鑑定(浜田鑑定)の採用などを求めている。 |