「診療報酬本体、引き下げ状況にない」

 中央社会保険医療協議会(中医協、会長=土田武史・早稲田大商学部教授)は11月28日の総会で、薬価以外の診療報酬本体部分について「マイナス改定を行う状況にはない」などとする2008年診療報酬改定に向けた意見書をまとめた。舛添要一厚生労働相に提出する。

 意見書では、前回改定があった06年度以降、人事院勧告による賃金動向が0.7%アップする一方、消費者物価指数による物価動向も今年1月時点の政府経済見通しで今年度分が0.7%上昇(9月までの実績で0.1%増)となった点を指摘。来年4月に実施する次の診療報酬改定では「本体部分については、さらなる引き下げを行う状況にはない」と明記した。

 一方、薬価と材料価格については、この日明らかになった調査速報値で平均乖離(かいり)率がそれぞれ約6.5%、約8.9%だったことも指摘した。

 意見では、本体部分の扱い以外に診療・支払側の意見が一致した点として、▽質の高い医療を効率的に提供できる医療提供体制の構築と国民皆保険制度の堅持が不可欠 ▽とりわけ産科・小児科、救急医療などに従事する勤務医対策を次の改定の重点課題に位置付ける ▽後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用を促進する――などを提示した。

 ただ、これらの課題への具体的な取り組み方については「地域医療を守るために診療報酬を大幅に引き上げるべき」とする診療側と、「(勤務医対策などには)資源配分の歪みやムダの是正による範囲内で行うべき」という支払側の主張を併記した。

 このほか、改定率の設定に際して意見の趣旨を十分踏まえるよう要望。厚労省には、意見の趣旨に照らして診療報酬以外の幅広い医療施策を講じることや、予算編成に当たって必要な財源の確保に努めることも求めている。


更新:2007/11/28   キャリアブレイン

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