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米FRB、越年資金の大量供給を事前予告 Y2K以来

2007年11月27日10時27分

 ニューヨーク連銀は26日の声明で、金融機関同士が資金を貸し借りする短期金融市場の混乱を防ぐため、資金需要が増える年末に向けて十分な資金供給をすると発表した。28日にまず約80億ドル(約8600億円)を供給し、その後も政策金利が上昇しかねない状況になれば、十分な資金を供給するとしている。

 米金融当局が「年末越え資金」を潤沢に用意する方針を事前に公表するのは、コンピューターの2000年問題(Y2K)が懸念された99年末以来8年ぶり。今年は、米低所得者向け(サブプライム)住宅ローン問題で損失が拡大している欧米銀行などへの信用不安で短期金利の上昇圧力が高まっていることから、事前に大量供給の方針を公表して市場に安心感を広げる狙いとみられる。

 欧州中央銀行(ECB)も23日、年末越え資金を十分供給する方針を発表済み。米連邦準備制度理事会(FRB)はサブプライム問題が深刻化した8月以降、ECBと協調し、ニューヨーク連銀を通じて01年の米同時多発テロ以来の規模となる大量供給を続けてきた。年末年始も協調姿勢をとる背景には、「サブプライム問題の根が深い」(市場関係者)ことがありそうだ。

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