ニュースのたね

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「メタボNHK」の愚行を斬る

~NHKが了承しなかった「かぐや」のハイビジョン映像ネット配信~

三田 典玄(2007-11-28 11:56)
オーマイニュースでは、中山正志記者が書いた「「かぐや」がハイビジョンの撮影に成功」(http://www.ohmynews.co.jp/news/20071002/15695)の記事は私も大変に興味深く読んだ。

しかし、その「かぐや」のハイビジョン映像をめぐって、いろいろな議論が巻き起こっている。発端は日経BPネット(http://www.nikkeibp.co.jp/)のこの記事(http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/matsuura/space/071122_nhk/index.html)だ。同記事のタイトルは「ハイビジョン月面映像をネット公開しなかったNHK」というタイトルになっている。同記事によれば、JAXAはハイビジョン映像のネット公開を希望していたが、NHK側がそれを拒否したとのこと。

そして、この記事に多くのBLOGやネット掲示板が反応した。

実際に、JAXAのホームページ(http://jda.jaxa.jp/jda/v3_j.php?time=N&mode=level&genre=4&category=4064&mission=4067)に行くと、この映像はハイビジョン解像度ではなく、302x240画素の小さく精細度の低い画像になっていて、ネットで見る限りにおいては「ハイビジョン」解像度ではない、ということは言うまでもない。

同記事や多くののBLOGを参照すると、せっかくハイビジョンで撮った動画映像をネットで公開することに渋ったのは、NHKであるとのことだ。っとは言うものの、それに反発してか、WinnyやShareといったネットワークには非合法と知りつつ、誰かがアップロードしたのであろう、これらのハイビジョン映像が惜しげもなく置いてある。

加えて、IT技術者のための雑談サイト、slashdotの日本サイト(http://slashdot.jp/)のコメントでは、カナダのDiscovery Cahnnel(http://www.discoverychannel.ca/shows/showdetails.aspx?sid=5180)が、その映像をハイビジョンのまま公開している。

このネットの時代、そして動画配信も当たり前になったこの時代に、貴重な映像を「出し惜しみ」する、というのは、やはりそれを行った会社や団体のイメージを下げる。加えて、NHKは公共から受信料を徴収して成り立つ「公共放送」であって、NHKは公共放送として、民間放送にはない「公的役割」がある。

放送法(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO132.html)の第三十四条-2には、以下の条文がある。

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(放送に関する研究)
第三十四条

2  前項の規定によつて行われた研究の成果は、放送事業の発達その他公共の利益になるように利用されなければならない。
---

この法の趣旨からすると、やはりNHKの「ハイビジョン映像出し惜しみ」は、やはり問題のある行為ではないだろうか、と筆者は考える。

ところで、私は仕事でよく、現状の放送事業者や紙媒体を含むマスコミ関係者と接する機会がとても多い。さかのぼれば1980年代の終わりころに、日本ではじめての「パソコンを使った番組」のお手伝いをした当時は「コンピュータ」は、「オモチャ」扱いだった(ネットはぼく一部の専門家のサークルの中以外には影も形もなかった)。

しかし、1990年代後半にインターネットが爆発的に広まるようになってから、ネットが放送や週刊誌、新聞といった「管理されたメディア」のシェアをどんどん食っていくことになった。マスコミの中の人たちに会ったとき「ぼくはネットの仕事をしています」というと、すごくいやな顔をする人がとても多かった。いまだにマスコミの中には「ネットに対する恐怖感・嫌悪感」がどうしても存在しているように感じる。いまだに同じ反応をするマスコミ人がとても多い。

既に日本のみならず、欧米でもネットの利用時間がテレビの視聴時間を超えるようになり、ネットがなければ生活できない、ということを言う人はどんどん増えている。コミュニケーションは人間にとって最大にして最後のエンターティンメントである以上、この流れは止まらないことだろう。

この時代の流れに抗うのではなく、いかにその流れに積極的に乗っていくか、ということが、おそらくこれからのマスコミ人がすべきことではないのだろうか?

かつて、Skypeなどの手軽なインターネット電話が登場するはるか前に、インターネット電話が出始めの時期があった。その時期に、当時できたばかりのKDDIの役員は「これは法律で規制しなければならない」と言っていた。しかし、その同じ時期、米国の巨大電話会社AT&Tの役員は「これはチャンスだ!」と叫んだそうである。

時代の変化に合わせることができず、多くの不祥事が報道され、苦悶の中でさえ自らの体質も生活習慣も変えることができない「メタボリック・シンドローム」を患うNHKの姿を、今回の「ハイビジョン映像出し惜しみ」に見るのは、私だけではないだろう。

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