訴訟にもっと関心を/「集団自決」シンポ
大阪地裁で行われた「集団自決」訴訟の本人尋問の様子を傍聴者が報告し、新たに浮かんだ訴訟の問題点などを話し合う緊急シンポジウム「沖縄戦の実相を問う」(沖縄戦の歴史歪曲を許さず沖縄から平和教育をすすめる会主催)が二十七日、那覇市の教育福祉会館で開かれ、約五十人が参加した。
今月九日の本人尋問を傍聴した沖縄平和ネットワークの津多則光・沖国大非常勤講師らが報告した。
津多さんは、原告の座間味島・海上挺進第一戦隊の元隊長、梅澤裕さん(90)の証言とほかの証拠の矛盾点などを指摘し、「六十二年後の今でも戦隊長の意識のままでいることが表れている」と批判した。
同ネットワークの村上有慶共同代表は、「集団自決」教科書検定問題とも連動している訴訟への県内外の関心が低い現状を話し、「この訴訟にもし負ければ、沖縄戦の真実がゆがめられることになる。法廷内だけの戦いに任せるのではなく、沖縄が声を上げ全国に伝えなくては」と訴えた。