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【国際】

ローマ法王会談中止 ダライ・ラマ14世 伊紙「中国が圧力」

2007年11月28日 朝刊

 【パリ=牧真一郎】イタリアのレプブリカ紙は二十六日、十二月十三日にバチカンで予定されていたローマ法王とチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ十四世との会談が中国政府の圧力によって中止になったと報じた。

 法王庁は会談について正式に発表していなかったが、地元メディアは十月三十一日、同日の法王庁の会議で会談が決まったと一斉に報じた。報道について中国外務省のスポークスマンが「会談は中国への侮辱になるだろう」と警告していた。

 中国とバチカンには国交がなく、バチカンは中国政府が同国内の非合法カトリック教徒らを迫害していると非難。中国側も政府公認のカトリック教組織を設立し、法王を無視する形で司教を任命するなど対立してきた。

 しかし、法王ベネディクト十六世は今夏、中国の信者に初の書簡を送り、対話の必要を呼びかけるなど、関係改善に向けた動きも始まっている。ドイツや米国が最近、ダライ・ラマを招待し、中国の反発を招いたこともあり、法王庁は微妙な時期に中国を刺激しないよう会談中止を決めたとみられる。

 

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