プレゼンハック ~プレゼン改善のための10個の小技~
September 25, 2005 8:22 AM written by Gen Taguchi
よくイベントなどでプレゼンうまいですね、と言われるのだが(感謝!)、普段気をつけていることをまとめてみた。
百式流プレゼンハックである(なんでもハックをつければいいものでもないけどね!)。ご参考までに。
■ PowerPoint Hacks
以前どこかで取り上げたが、やっぱり今も使っているのでご紹介。プレゼンでPowerPointを使うことは多いと思うのだが、プレゼンテーションモードのときにいくつか裏技コマンドがある。
a. [(ページ#)+Enter]
プレゼンしているときに数枚前のシートにもどりたいときは結構ある。そんなときに矢印キーを連打!というのはいかにもかっこわるい。そこでおすすめなのが「数字キー+Enter」である。3ページ目に戻りたいなら「3+Enter」である。
重要なスライドはそれが何枚目なのか覚えておくか、スライド番号つきで資料を印刷しておくと便利っす。
b. [B/W]
プレゼン中にスライドじゃなくてプレゼンテーターに注目してもらいたいときがある(みんな、もっと先生のこと見て欲しい、というとき)。そうしたときにはスライドが邪魔なのでB、Wを押せば画面が真っ暗になったり、真っ白になったりしてくれる。
以前はプロジェクターの前に本などを立てかけたりしていたのだが、こちらの方がスマートである。会場によってはプロジェクターが天井についていることもあるのでそもそも本など立てかけられないし。
c. [F1]
他にもいろいろあるのでスライドショーをしているときに[F1]キーを押してみるといいでしょう。[A]キーを押してマウスのポインタを消す、などもたまに使えます。
■ デュアルモニター設定で使う
これは設備によるのだが、自分はThinkPadを持ち込んでプレゼンをすることが多い。そうしたときはデュアルモードにしておくとなにかと便利だ。
左側の画面をプロジェクター、右側の画面をThinkPadの液晶にしておき、写す必要があるものだけ左側に移動させるのだ。
こうしておくと、
- ブラウザを操作していて過去のURL/検索履歴が出ちゃってドキッ!ってことがなくなる。
- PowerPointのスライドをプロジェクターに映しつつ、次のスライドを液晶画面で見ながらプレゼンすることができる。
- プレゼンやっているときにメッセで友達に話しかけられてドキッ!ってことがなくなる(友達が有名人だと彼/彼女のイメージダウンにもつながりますw)。
などの利点があります。おすすめ。
■ 動くものは排除
プレゼン中は観客から見て動くものは自分だけでなくてはいけません。他の動くものはすべて極力排除します。
それが重要なものであるかどうかは別として人は動くものに目を奪われるからです。
壇上にある時計や、他のプレゼンテーターは極力排除しておきましょう(よくプレゼンテーターが全て壇上にいる場合がありますが、あれはやめてもらっています)。
■ 拍手ハック
これは友人に聞いたハック。かな~り使っています。
プレゼンのあとには拍手をもらいたいもの。人のプレゼンを見ていてすごくもったいないなぁ、と思うのは拍手をもらうための準備をプレゼンテーターがしていないとき。
それほど内容が悪かったわけではないのになんとなく終わっちゃって、拍手するタイミングを逃した、と言う経験はありませんか?あれはプレゼンテーターが悪い(と思う)。
では拍手をもらうためにすべきこととは?
一般に「Staging」と呼ばれる手法ですが、プレゼンが終わる直前に次のことを必ずやりましょう。
- 終わります、と明確に言うこと(「最後になりますが・・・」「ではここで私のプレゼンを・・・」といった言葉を言う)。
- その言葉を言うときは意識的に、必ず、ゆ・っ・く・り言うこと。
- 終わったら頭をさげること(人は頭を下げている人に拍手します)。
そうすれば聞いているほうも(よっほど内容が悪くない限り)、拍手をする準備ができます。拍手のタイミングを教えてあげるのも優れたプレゼンテーターの能力だと思います。
■ 伏字メソッド
伏字を使うといえば各所で話題のもんたメソッドですが、よく考えたら似たようなものを自分でも昔から使っていました。自分がよく使っていたのは次の二つ。
1. ○○メソッド
スライド中には「○○」を多用しています。そうすれば観客も興味を持ってくれます。「○○とは?」と書かれているだけで聞いてみよう、という気になります。
あと副次的な効果としては伏字をしておくと観客がメモをしてくれる、というものがあります。最近のプレゼンでは配布資料にプレゼンシートが印刷してあったりしますが、○○としておけばそこを埋めたくなる心理が働くのか、聞きながらメモしてくれます。これは観客にとってもいいことでしょうし、なによりプレゼンテーターがやる気になります(←とっても重要)。
2. わけわからない略字メソッド
「ブログはTM」といったわけのわからない略字もよく使います。これも上記と同様の効果がありますね。
■ アンケート+ハンドアウト
自分がプレゼンをするときは基本的に配布資料を配らないようにしています。プレゼンの前に参加者が配布資料を見て本番を聞かない、なんてことがままあるからです(伏字にしてあればそれほど問題ないのですが)。
では自分が無敵会議やアカデメディアでどうやっているかというと、配布資料は事後に配るようにしています。ただ、普通に配ってもちっともおもしろくない。そこで、「配布資料はこちらでダウンロードしてください、ダウンロードする前にちょこっとしたアンケートに答えてもらいますが」としています。
観客は資料が欲しいもの。そして主催者はアンケートの回収率をあげたいもの。そこで資料ダウンロード用ページを用意して、その前にアンケートページをかませるようにしました。この方法をしてからアンケートの回収率がだいぶあがりました。
■ アンケートはどう使うか?
プレゼンのあとのアンケートはどうするべきか?
何も考えないなら「プレゼンを10段階で評価してください」「良かったところ」「悪かったところ」としてしまうでしょうが、これってどんな意味があるんでしょ?(と、個人的に思う)。
自分がアンケートで目的としているのはただ一つ。
「次回の集客に使う」です。
なので基本的にいいことしか聞かないようなフォーマットにしています。そうすることによって次回に「前回参加した人の声」として紹介できます。第三者の生の声が集客に大きく影響するのは間違いないですし、自分の場合、アンケートはこういう風に使っています。
もちろんアンケートを次回の改善のために使う、というやり方もあると思いますが、参加者の知識レベルが一般的には一定でないことを考えると100%の人を満足させることは不可能です。そうなると参加者のコメントの中には3日間ごはんがのどをとおらなくなるような厳しいものもまま含まれます。そう考えると改善点はもちょっと仲良しの人に聞いた方が受け入れやすいです(かつ実行しやすい)。「今回どうだった?」というのは打ち上げに来てくれた参加者の方にお酒を交えながら聞くようにしています。
■ 一歩前へ
大人数の前のプレゼンは緊張するもの。ただ、緊張しているからって演台の後ろに隠れていてはますます萎縮してしまうだけ。
自分がいつも気をつけているのは「一歩前へ」です。緊張していたり、観客の中で怖い顔をしている人がいる場合(実際はいい人である場合が多い)は常に一歩前に出ます。ステージぎりぎりまで前にでて胸を張れば、「おれ、いけてるじゃん」と思うことができます。
気分を変えるにはまず姿勢から。デキるプレゼンテーターの気分になりたいなら常に前に攻めるのが良いでしょう(多分)。
■ 沈黙 is Power
沈黙の使い方をマスターすればかなり効果的なプレゼンができます。
そういう教科書的な教えは誰でも聞いたことがあるでしょうが、沈黙は具体的にどこでどう使うべきでしょうか。
まだ自分でも100%使いこなせてはいませんが、気をつけているのは次の二つ。
- 重要なキーワードを言う前に沈黙する(←これは普通)
- 沈黙する前に大きく息をすう(←こいつが重要!)
特に重要なのは後者。はたから見ていてもわかるぐらいに大きく体を動かして息を吸って止める。これは個人的な経験からなのですが、それを見ている人は無意識に一緒に息を止めてくれます。それを確認し、さらに一瞬止めてからしゃべりだす・・・これがコツです。
そのようにしておおげさに息を止めると、スピーチを再開したときに会場が一気に息を吐くのがわかります。こうして何回か呼吸をあわせていくと参加者はあなたに好意を持ってくれるはずです(ラポールの基本)。
会場の呼吸と自分の呼吸があっているときほど快感なときはない、と個人的に思います。
■ 自分の意見を抵抗なく受け入れてもらう方法
これは「すごい会議」の大橋禅太郎さんに教わったテクニック。
禅太郎さんもそうですが、僕のプレゼンにもよく出てくる言葉があります。
それは「僕が思うに」「個人的な意見ですが」といった言葉です(このエントリーでも多用中)。
誰でもそうでしょうが、人は相手から意見を押し付けられると反発しやすい傾向があります。プレゼンを聞いていて「本当か?」「そりゃ、お前だけだろ?」と思った経験がある人も多いでしょう。
これはプレゼンの中で自分の個人的な意見と、一般的な事実(と思われていること)を混同しているからです。
例えば「IT業界にはプレゼンが下手な人が多いですよね」なんて言ってしまうと反発をくらいやすいです。でも「個人的な意見ですが、IT業界にはプレゼンが下手な人が多いですよね」と言えば聞いているほうは受け入れやすくなります。
「ふむ、自分はそう思わないけどこの人はそう主張している。どういうことかちょっと聞いてみるか・・・」、そういう心理が働くからです。
と~ても微妙なテクニックなのですが、その効果は絶大!と個人的に感じています(禅太郎さん、感謝!)。是非おためしあれ。
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ずいぶん長いエントリーになってしまった。他にもあるんだけどもうここらへんにしておこう。また機会があれば書きます。自分もこういう点に気をつけている、などあればコメント&トラックバックくださいね。
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