人間との協調作業ができ安全に介助もできるヒト型ロボットを早稲田大の菅野重樹教授(知能機械学)らが開発し、27日公開した。全身の圧力センサーとバネの入った柔軟な関節、シリコンなどの素材による衝撃吸収機能を持ち接触にもスムーズに対応。四つの指を持つ手でストローを持ち直す繊細な動きも実現した。
ロボットは「TWENDY-ONE(トゥウェンディ・ワン)」と名付けられ、高さ約147センチ、重さ111キロ。複数の企業と連携し、数億円以上をかけ7年間で開発した。画像や音声を認識、足元の超音波センサーで障害物も察知し、車輪で全方向に移動する。前腕は最大34キロ程度まで人間を支えることが可能。机の上にひじを置き、手先を使った精密な組み立て作業もできるという。
デモンストレーションでは1人暮らしの高齢者が起床して朝食を準備するまでを想定。高齢者役の学生と言葉を交わしながら▽ベッドから車椅子に移る人を両手で支える▽冷蔵庫からケチャップを取ってくる▽トーストを皿に載せ盆をテーブルに運ぶ--などの動作を滑らかな動きで披露した。一体1000万~2000万円程度で、2015年までの実用化を目指すという。【須田桃子】
毎日新聞 2007年11月28日 東京朝刊