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道立病院改革 委託先探し難航も 医師不足、待遇も壁 道が報告(11/28 08:28)道は二十七日、道立八病院の経営見直しに向け、指定管理者制度導入などを盛り込んだ「病院事業改革プラン」素案を道議会保健福祉委員会に提示した。病院運営を民間に委ね、経営の効率化を図るのが狙いだが、道立病院はへき地医療など不採算部門を担ってきた上、医師不足で医師が十分確保できていない現状から、「引き受け手」探しは難航が予想される。 九月に開設した「コドモックル」(札幌)を除く道立七病院は二○○六年度、それぞれ四億二千万−十一億円の赤字で、合計では五十一億円に達する。採算性の低いへき地が多いことや、収入に占める総人件費の割合(人件費比率)が100%を超えるなど高コスト体質が背景にある。 道は当初、独立行政法人化や民間移譲など、指定管理者制度に比べ独立採算色の強い制度導入も検討した。しかし、「独立採算では行き詰まる可能性がある」(道立病院管理局)と懸念。民間移譲は今後も検討するが、公的資金を注入しながら病院経営に道の関与も維持できる同制度導入を目指すことにした。 総務省によると同制度を導入する公立病院は年々増え、三月末現在で全国で四十施設。道内では名寄市が名寄東病院(百五床)の運営を地元医師会に委託している。 ○五年度に同制度を取り入れた福岡県立精神医療センター太宰府病院では、導入前に人件費比率が100%を超えていたが、制度導入で給与体系を見直すなどし同比率を60%台に圧縮。効率化に一定の成果が出ているケースもある。 ただ、制度を導入しているのは都市部や規模の小さな病院が目立つ。道内の民間病院関係者からは「採算性の低い地域で、一定規模のある道立病院を引き受けるのは大変」との声が出ている。 影を落とすのが医師不足だ。地域のセンター病院の羽幌病院では、四月から十月までの間に四人、江差病院でも三人、紋別病院では一人が病院を離れた。二十七日の委員会では、委員から「公設民営にして、医師不足が解決するのか」と厳しい声も出た。 もうひとつの壁といえるのが職員の処遇問題。同制度導入後は、職員は道職員ではなくなる。同じ病院で働きたい場合は道職員を辞め民間病院に再就職する形になり、待遇が変わることになるため、労働組合などが反発するのは必至だ。 道は当初、夏ごろに素案をまとめる予定だったが、経営形態の見直しには地元の不安や反発が強く、約三カ月も遅れた。道は年度内に正式な改革プランをまとめるが、委託先の民間医療機関の選定など個別病院の改革案については、「道が示す条件次第だが、簡単には進まないのでは」との見方が出ている。 |
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