正直、もううんざりである。今度は大手ファストフード・チェーン店の不祥事で、賞味期限切れヨーグルトなどを使い、売れ残ったサラダの調理日時を偽っていた 後を絶たない食品をめぐるゴタゴタだが、食中毒などの被害は報じられてはいない。そもそも賞味期限は、おいしく食べられる保証期限として、業者が独自に設定している。期限切れが即、食の安全を損なうというわけではない。表示を偽るのは論外。賞味期限切れを口にするかどうかは、消費者の判断に委ねればいい 近所の店に、「お泊まりパン」なるコーナーがある。平たく言えば、きのう売れ残ったパンの安売りで、なかなかの人気とか。賞味はともかく、安全は保証という「お泊まり」である。こんなしゃれた文句を思いつく知恵ではなく、表示を偽る愚挙が、どうしてこうも広がるのか。情けない気がする やがてクリスマス・ケーキ、おせちの季節。大量の注文をさばくために、冷凍技術が威力を発揮する。いわば幾晩も「お泊まり」する作り置きだが、私たちはこぞって買い求め、団らんを楽しむ 食のおいしさは、日付だけが決めてくれるものではあるまい。
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