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中国駆逐艦、28日初寄港 対日不信緩和が狙い
中国海軍のミサイル駆逐艦「深セン」が28日、中国艦艇として戦後初めて日本に寄港する。胡錦濤指導部は艦艇相互訪問を軌道に乗せ、軍事分野での相互不信を緩和するとともに「国内の反日感情を改善させ、対日関係の安定化につなげたい」(日中関係筋)考えだが、歴史問題を抱える日本との軍事交流に不満の声も漏れている。
軍事関連ウェブサイトなどによると、寄港する「深セン」は1999年に南海艦隊に配属された国産の「旅海級」駆逐艦。これまでに欧州、アフリカなど13カ国を訪問しており、今回の寄港地、東京・晴海埠頭(ふとう)でも他国の訪問時と同じように艦艇を公開、市民らとの交流を深める予定だ。
中国外務省の秦剛副報道局長は27日の定例会見で「日本側が温かく友好的に迎えてくれると信じている」と期待感を表明。また楊毅・海軍少将は隔週週刊誌「環球」で「中日関係史上の重要な1ページ」と指摘、対日重視を掲げる胡指導部の立場を代弁した。
しかし国内ウェブサイトでは「(かつての)侵略国への艦艇派遣など無意味」「行く以上、日本を砲撃すべきだ」などの書き込みが見られ、日本寄港に対する反発が根強いことをうかがわせる。
北京大国際関係学院の梁雲祥准教授は「中国の大衆に『日本軍(自衛隊)との交流は受け入れがたい』との感情があるのは事実。解消には時間がかかる」と指摘した。
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日中艦艇相互訪問 日中両国は軍事分野での信頼醸成を図るため、双方の艦艇が相手国を友好訪問することで合意している。合意は2000年10月、当時の森喜朗首相と朱鎔基首相の間で交わされたが、小泉純一郎首相(当時)の靖国神社参拝で中国が態度を硬化させ、相互訪問は実現していない。今年8月、日中防衛相は相互訪問実現を目指す方針で再合意。11月28日からの中国艦艇の初訪日を踏まえ、中国も時期を見て海上自衛艦の寄港を受け入れるとみられる。
(共同)