女たちの風林火山 戦国の乱世は武将たちだけが戦っていたわけではありません。女性たちもまた懸命にそれぞれの運命を生き抜き、戦っていました。
由布姫サイド 志摩役 大森暁美さん

−−志摩にとって由布姫はどんな存在?
 おそらく由布姫が生まれた時から側についていたと思うので、娘といってもいいくらい。名家の姫ですから全身全霊で仕える存在ですし、責任を持ってどこまでもお供しますという感じですね。

−−由布姫から見た志摩は?
 桑原城落城の折りは刀を渡して自害を迫るし、由布姫の言葉が過ぎれば『誇りを持ってきちっとやりなさい』と叱るなど、厳しい目付役のようでしょうね。一方、由布姫が矛盾を抱えながら晴信を愛して苦しんでいた時は、女性として理解する。常に包むような感じで見守り、支える母親のような存在だったと思います。

−−三条夫人のことはどう思っていますか?
 由布姫と比較しながら三条夫人を見ることもあるでしょうね。『姫の方が勝っているわ』なんて(笑)。そのことで戦おうとしているのではなく、無意識にそうなってしまうのだと思います。

−−三条夫人の侍女・萩乃に対しては?
 『うちの姫は気高き諏訪家のご息女』という誇りがありますから、萩乃が偉そうなこと言ったら『承知しないわよ』みたいなところはありますね(笑)。だから常に相手を見ています。

ミニ・エピソード 大森暁美さんが所有する 井上靖「風林火山」第1刷

 ドラマの原作となっている井上靖の「風林火山」は1955年12月に発行された。大森暁美さんはこの第1刷を翌年1月8日に購入していた。
 当時、自分の誕生日に好きなものを買うことを習慣にしていた大森さん。井上靖作品が好きだったことから発行されたばかりの「風林火山」を手に入れたそうだ。裏表紙には購入した日付と名前もきちんと記されている。
 歳月を経て『まさか「風林火山」に出演することになるとは』と驚きながらも感動していた。

侍女対決〈志摩と萩乃〉
侍女を演じる大森暁美さんと浅田美代子さんに、それぞれの思いを聞いた。
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三条夫人サイド 萩乃役 浅田美代子さん

−−萩乃にとって三条夫人はどんな存在?
 萩乃は三条のために生きていると言ってもいいくらい“三条ひとすじ”です。自分がないわけではないけれど、三条のことしか考えられない、三条さえ幸せであればいいという感じですね。

−−三条夫人から見た萩乃は?
 頼りにしてくれていると思います。その反面、『よけいなことを言わなくても』って思うこともあるんでしょうね。よく『萩乃』って、たしなめられていますから(笑)。

−−由布姫のことはどう思っていますか?
 三条よりも私の方が嫉妬しています(笑)。対面する時も『この女!』って思いが強くて、ちらりとでも目が合うとにらんでしまう(笑)。まるで三条が萩乃に乗り移っている感じで、三条が言えないことを代わりに言っているようなところもあります。

−−由布姫の侍女・志摩に対しては?
 同じ侍女同士で気持ちがわかるだけに、自分は言うべきことを言うけれど(笑)、志摩には『何も言わせない』というくらい強い態度で臨んでいます。

身上調査〈由布姫と三条夫人〉
侍女対決〈志摩と萩乃〉
衣裳比べ
お互いを語る〈由布姫・三条夫人〉
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