風林火山の世界 
小道具からセットまでドラマの世界がさらに広がるビジュアル・アイテムの数々を紹介
毘沙門堂・毘沙門天
信仰心のあつい武将として知られ、自ら護摩をたき祈とうをしていた長尾景虎(上杉謙信)。ドラマには景虎が深く帰依していた毘沙門天の立像が登場し、武田家を象徴する不動明王と見事な対比を見せています。スタジオに出現した毘沙門天と毘沙門堂のセットを紹介します。 ミニ解説:毘沙門天像と上杉謙信
謙信は、武神・守護神とされる毘沙門天を深く信仰していた。合戦の時には“刀八毘沙門天の旗”と呼ばれる白地に黒で“毘”の一字を大書した軍旗を掲げたほどで、自らを毘沙門天の生まれ変わりと信じていたとも言われる。

ミニ解説:謙信の祈とう
戦国時代、信仰心のあつい武将は多かったが、高名な僧に祈祷してもらうのがふつうだった。ところが謙信は毘沙門堂にこもり、自ら護摩をたき、戦勝や息災などを祈祷していた。真言宗(真言密教)への造けいの深さがうかがえる。

八角形の毘沙門堂

 景虎の居城・春日山城にある毘沙門堂として建てられたセットは八角形。法隆寺の夢殿が有名だが、ふつうお堂のような小さな建物は四角すいのような形の“宝形造(ほうぎょうづくり)”が多い。不動明王をまつる不動堂などもこの形で真上から見ると四角形になる。今回は、あえて武田家との違いを強調する狙いもあって毘沙門堂を八角形にした。
 また、極彩色の不動堂に対して、毘沙門堂は護摩壇の火がめらめらと映り込んでいく感じを表現するため、色彩は出来る限り抑えた。それによって八角形の密室感がさらに増している。

毘沙門天 VS 不動明王

 “謙信と信玄”という戦国最大のライバルにふさわしく、毘沙門天と不動明王もその違いがはっきりとわかるデザインになっている。

 不動明王は、第1回の放送から登場しているうえ、背に立派な火えんを背負っていてインパクト十分。そこで、毘沙門天は高いところから世の中を見据えているかのような立像にして、座像の不動明王とのコントラストを明確にした。

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