風林火山の世界 
小道具からセットまでドラマの世界がさらに広がるビジュアル・アイテムの数々を紹介
摩利支天 まりしてん

 勘助が守り本尊として首から提げている小像。ミツに問われて『軍(いくさ)の神だ』と答えている。摩利支天は中世から武士の守護神として信仰を集めた。  語源はサンスクリット語で、“陽炎(かげろう)”を意味する“Marici(マリーチー)”の音を漢字に写した。陽炎には実体がないので捕らえられて傷ついたり、害されることがない。それが戦国武士の摩利支天信仰に繋がったとされる。
 楠木正成や前田利家は、兜(かぶと)の中に摩利支天の小像を入れて出陣したと言われている。摩利支天の姿は、天女やイノシシに乗る女神、三面六臂(さんめんろっぴ)、三面八臂*でイノシシに乗る像などがある。

*三面六臂、三面八臂とは、3つの顔と6つ(または8つ)のひじのこと。

左:撮影で使用している摩利支天 
右上:美術デザイナーが描いたスケッチ 
右下:裏面には摩利支天を表す梵字(ぼんじ)が刻まれている

勘助の摩利支天・・・ドラマでは、勘助が兵法修行のため諸国を遍歴していたころ、高野山の摩利支天堂に参籠して得たものとしている。三面六臂で4匹のイノシシに乗っているという美術スタッフのオリジナルデザイン。
 今はミツの手に渡った摩利支天を見て、その姿に『珍しいな』と声をかけたのが武田勝千代(後の晴信)だ。やがて晴信が守り本尊とする摩利支天像もドラマに登場するが、果たしてどんな姿のものになるのか。乞うご期待!

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