豊田通商は中国で製パン事業に参入する。現地の食料最大手である中糧集団（北京市）と合弁会社を設立、2008年から北京市などで本格的に販売を始める。中国では所得水準の向上や食の好みの変化を背景にパン市場が拡大しており、日本の製パン技術を活用した付加価値が高い商品を供給することで市場を開拓できると判断した。

　北京市に設立した合弁会社は中糧豊通（北京）食品で資本金は54５万ドル（約６億円）。中糧が51％、豊通が49％出資した。新会社は約10億円を投資して北京市郊外に敷地面積３万3000平方メートル、延べ床面積7000平方メートルの工場を建設、従業員120人体制でこのほど稼働を始めた。

　豊通の取引先である日本の製パン大手から技術者を招くほか、菓子パンや調理パンの具材などを現地の日系メーカーから仕入れることにより、日本のスーパーなどで販売されているパンと同水準の商品を生産する。09年には第２ラインを建設、生産能力を約２倍まで増やす計画だ。

　価格は１個あたり５元（１元＝約15円）前後に設定し、月収が1500元以上の層に向けて販売する。