【南通(江蘇省)=渡辺園子】王子製紙は26日、日本の製紙会社として初めて中国で大規模な紙パルプ一貫工場の建設に着手した。中国政府の外資政策変更などを背景に2003年6月の当初計画発表から4年半の曲折を経ての着工となった。投資額は第1期で約20億ドル。まず年産40万トンの高級紙ラインを10年後半に稼働させる。日本市場の頭打ちが続くなかで急拡大する中国市場の取り込みを狙う。
中国東部の江蘇省南通市にある経済技術開発区に建設。王子が90%、同開発区系企業が10%出資した「江蘇王子製紙」が事業会社となる。
認可を取得済みの「第1期」では年産70万トンのパルプ生産ライン1本と同40万トンの高級紙ライン2本(計80万トン)の建設を計画。パルプ生産は2011年の開始を予定。2本目の高級紙ライン稼働は「2015年ごろ。状況を見ながら考える」(王子製紙の篠田和久社長)という。(07:00)