取材を終えて午後7時ごろに支局に戻ると、20分ほど前に保健所からファクスが1枚届いていた。ある製品から食中毒菌が発見され、回収と販売禁止を業者に命じたという内容。保健所の対応は午後8時までとあったので急いで電話した。
「製品はどこに何キロ出荷していたのか」。記事を書くうえで重要な事項だ。返答は素っ気なく「調査中。集計中」。押し問答の末に電話を切った数分後、担当者から「分かりました」と電話があった。悪びれる様子はない。そのうちに午後8時となり、担当者はそろそろ帰るという。新たな事実が判明するなど何かあった時に問い合わせができるよう「携帯電話の番号を教えていただけませんか」と頼んだが、返事は「携帯電話は持っていません」だった。
それなら、製品の危険性を報じて消費者に注意を促すことの重要性を考え、緊急連絡を受けられる態勢を整えるべきだと思う。【飼手勇介】
毎日新聞 2007年11月27日