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聴覚障害ドライバー:サイレンが「見える」装置で支援

 聴覚障害のあるドライバーのために、一般車両や救急車、パトカーなどによるクラクションやサイレンの音だけを拾って光の点滅で知らせる装置を、甲府市のソフトウエア開発会社「ウェルフェア」(今福和社長)が開発した。現在、特許を申請中。聴覚障害者による免許取得要件は来年6月までに撤廃されることが決まっており、朗報となりそうだ。

 今福社長はソフトウエア開発会社で働いていた14年前、脳梗塞(こうそく)で倒れて右半身が不自由になった(身体障害者2級)。00年ごろ、聴覚障害者から「クラクションやサイレンなどに反応できない」という悩みを聞き、警告装置の開発を決意。会社に働き掛けてウェル社を設立した。

 音ごとに違う周波数の特徴を見つけるのに3年かかったが、国や県から助成を受けて研究を続け、7年の歳月をかけて完成させた。車外に取り付けたマイクが拾った音を車内のランプで運転手に知らせる仕組みで、価格は9万9750円を予定。今福社長は「障害の悩みを共有できたことが、開発に向けた大きな力になった」と話す。

 道路交通法では、10メートルの距離から90デシベルのクラクションが聞こえなければ免許を取得できない。しかし、昨年6月の法改正でこの要件が撤廃され、ワイドミラーを装着すれば運転することができるようになる。

 厚生労働省地域生活支援室は「同種装置の開発は聞いたことがない。聴覚障害者の社会参加に寄与するのではないか」と期待している。

 問い合わせはウェル社(055・227・1811)。【中村有花】

毎日新聞 2007年11月27日 2時30分

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