諏訪広域連合は26日、6市町村長による正副連合長会議で、県内に14ある消防本部を東北信と中南信の2ブロックに統合する県消防広域化推進計画の原案を基本的に了承した。ただ、県の責任を明確にする意味で県内一本部にする案についても十分検討することや、広域化にあたっては県の積極的な関与を求める意見を付けた。
県は2ブロックとする理由として、管轄人口が110万人規模でバランスが取れていることや、長野、松本という中核となる消防本部を軸として広域化を進めることができる点を強調。大規模災害時の初動体制など危機管理上の危険分散の観点からも有効とする。
中南信エリアは諏訪地域のほか、上伊那、下伊那、木曽、松本、大北の各地域の49市町村で構成。ただし、市町村消防の原則は変わらず、消防署の数や、市町村単位としている消防団は現行通りとしている。
県は10月に開いた検討委員会で2ブロックとする原案を提示。年内の推進計画策定を目指し、今月中に各市町村の意見聴取を進めている。同連合では先月の正副連合長会議で県側の説明を受け、諏訪地域としての意見集約を進めていた。
会議後、会見した山田勝文連合長(諏訪市長)は2ブロック案を基本的に了承したことを明らかにし、その理由として将来的な無線のデジタル化もにらみ、広域化によるスケールメリットを生かし、財政負担の軽減や、消防の高度化が期待できることを挙げた。
その上で、県内一本部についても十分検討するよう要望。山田連合長は個人的な意見として「警察と同じ考え方があってもいい。その方が分かりやすい。ブロックの形にして市町村にすべてお任せでは困る」と述べた。広域化に伴い国・県の財政的な支援措置を十分行うことや、運営計画には県が積極的に関与することなども求めた。
諏訪地域では1999年4月に消防が一本化されたが、実態は財政、人事、指令とも市町村単位のまま。「どんな形であれ広域化が必要という点では一致している。各市町村の立場をどう調整していくかが課題」(同連合長)とし、県の主体的な関与が必要という考えを改めて示した。