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【愛知】

中古の消防車贈り続け15年 岡崎の市民団体が目標達成

2007年11月27日

寄贈する中古の消防車と、加藤万奈夫会長(右から2人目)=岡崎市田口町で

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 発展途上国の消火活動に中古の消防車を贈る活動を続けている岡崎市の市民団体「岡崎一由(いちゆう)会海外支援倶楽部」(加藤万奈夫会長)が26日、マレーシアに消防車1台を発送した。贈った消防車は、これで39台となり、15年目にして同会が目標としてきた台数を上回った。

 加藤会長(68)は15年ほど前、商用でマレーシアを訪れた際、山火事に遭遇した。消防車が不足し、大規模な火災を食い止めることができないことを目の当たりにした。

 岡崎市内で自動車解体会社を営んでいることもあって、消防車に着目。市消防本部や県内外の消防で長年、活躍した消防車を譲り受け、現地に贈ることを考えた。市内の有志10人とともに同倶楽部を結成して活動を開始。調達可能な38台以上を目標に活動を本格化させ、マレーシアのほかインドやウガンダなどに贈っている。

 消防車は古いが、走行には支障がなく放水能力も十分。贈り先の国で整備や点検の後、現役の消防車として威力を発揮しており、現地の政府から歓迎されているという。

 今回は、静岡県伊豆の国市消防団から譲り受けた4トンの消防ポンプ車をはじめ、中古の車いす約30台や大量の自動車部品、空港の滑走路整備用の中古ローラー車1台を、加藤会長の会社でコンテナに積み込んだ。名古屋港からクアラルンプール港まで船で運ばれ、約2週間後に現地に届くという。

 加藤会長の会社の研修生で、積み込み作業に参加したマレーシア出身のシャンサ・サバパティさん(50)は「国では消防車は全然足りていないので、大変、助かります。本当にうれしい」とはつらつと体を動かし、加藤会長は「当初の目標は達成したがもう少し頑張らなくては」と活動の継続に意欲を燃やしていた。

 (相坂穣)

 

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