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大阪の郵便局強盗、白昼のビジネス街騒然

2007年11月26日

 ビジネス街が騒然となった。26日起きた大阪市中央区の郵便局強盗。刃物を振り回し、人質を取る荒っぽい手口に、昼休みで行き交う人が悲鳴を上げた。「金がなくて年を越せない」。それが容疑者の動機だった。

写真真昼のオフィス街で発生した郵便局の強盗事件で、現場周辺は騒然とした雰囲気に包まれた=26日午後2時30分、大阪市中央区で

 第1現場の大阪南船場一郵便局。目撃者によると、南沢聡容疑者(43)は上半身裸。下半身も下着1枚にスリッパをはいているだけだったが、帽子やかつらで変装していた。「金を出せ」。いきなり女性客を羽交い締めにし、刃物を突きつけた。

 局内には客2人を含み計10人。カウンター内の局員が約137万円分の紙幣を差し出した。南沢容疑者は女性を抱えたまま、これをひったくって外へ。女性はようやく解放された。

 北へ走る南沢容疑者。後を追って表に飛び出した局員が常備のカラーボールを投げつけた。ピンクと黄色の2個が命中。約50メートル北の交差点付近で、局員らが南沢容疑者に追いつく。紙幣が周囲にばらばらと落ちた。

 局員の安井健一郎さん(40)が腹を刺されたのはこの前後。建設作業員の男性(38)は足を、自転車の団体職員の男性(69)は胸を刺された。

 なおも逃げる南沢容疑者。近くのカフェ店長(33)は「塗料にそまった男が恐ろしい表情で逃げていた。通行人はビルの中に走りこんだり、縮こまったりしていた」。

 最後の現場となった地下鉄堺筋線長堀橋駅。南沢容疑者は自動改札機を突破、地下2階のホームには出発前の電車が停車していた。5両目に駆け込んだ南沢容疑者は乗客の男性の右側に座るや、のど元に刃物を突きつけて人質にした。

 車内には約40人の乗客。「危ないから外へ出て」。駅員が叫び、車掌は緊急アナウンスを繰り返す。2人を残して乗客はすべて降りた。警察官が遠巻きに囲む。1、2分後、すきを見て人質男性もその場を離れた。

 警察官らが一斉に車内に突入、南沢容疑者を取り押さえた。協力した会社員男性(32)は「刃物を持っているのが目に入ったが、ただ夢中で捕まえることだけを考えた。『危なかったなあ』と思った」と語った。

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