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国会同意人事 容認できない「報道規制」

 参院で野党が多数を占める「ねじれ国会」の中で、これまであまり注目されなかった各種審議会の委員など国会の「同意人事案件」の様相が一変している。

 国会同意人事は衆参両院の同意を経て内閣が行う。法案と違い衆院での再議決規定がないため、参院で認められないと任命できない。今国会では五十六年ぶりに野党の反対で不同意人事が出た。

 政府・与党の一方的なペースで決まっていた人事にブレーキがかかり、緊張感が生まれたことは評価できる。しかし、与野党が設定した新たなルールには、報道規制につながりかねない項目が盛り込まれ、「国民の知る権利」「報道の自由」が脅かされる重大な問題をはらんでいる。

 同意の対象者は、日銀総裁や運輸審議会委員など三十五機関で約二百三十人に上る。ほぼ毎日出勤している約百人には省庁の事務次官並みの報酬が支給され、二千万円前後を受け取っている人が多い。

 政府は従来、人事案を与党にだけ事前説明していた。「省庁に都合のいい官僚OBが目立つ」「政府寄りの学者の温床になっている」との批判も強いが、政府・与党が内定すれば、ほぼ自動的に決まっていた。

 「ねじれ国会」を受け与野党が合意した新しいルールでは、新設した「両院合同代表者会議」で与野党同時に説明することになった。公平性の面で当然の措置だろう。

 新ルールに基づき、政府が提示した十四機関二十八人の一部に野党から異論が上がった。今月中旬の参院本会議では、官僚OBら三人の再任が認められなかった。野党が「官僚の天下り」などと反対したためだ。

 高額報酬批判などを背景に野党は今後、審議会などの必要性そのものをチェックするという。政治的に重要な存在なのかどうか問題を提起し、国会で大いに議論してもらいたい。

 容認できないのは、政府が人事案を代表者会議に提示する前に報道が先行した場合、提示を受け付けないとする新ルールの規定だ。「一度表に出た人事が不同意になると、当事者が傷付く」「事前報道で既成事実化すると反対しにくくなる」などとして盛り込まれた。

 事前報道された人事案が白紙扱いされると、報道をためらう空気などが生まれかねない。「事実上のメディア規制」との声は多い。候補者の適否を国民が判断する材料を早く知らせるのは報道機関の大切な役割である。報道の自由を侵害する恐れのある規制は見直すべきだ。


多発する銃犯罪 社会の危機感を強めよう

 九州で暴力団の対立抗争とみられる銃の発砲事件が相次ぐなど、全国的に銃を使った犯罪が後を絶たない。暴力団を中心に社会の中に銃が横行している現実があらためて浮き彫りになっている。警察は徹底した取り締まりで住民の安全、安心を守ってもらいたい。

 銃犯罪は今年になって特に目立っている。長崎市長射殺や愛知県の発砲立てこもりなどが起き、警察庁のまとめでは一月から十月までの発砲による死者は十六人に上り、前年同期の二人を大幅に上回っている。岡山市でも十月に男性が撃たれて死亡する事件があった。

 全国の警察が押収した拳銃は前年同期比13・9%増の四百七十四丁で、既に昨年一年間に押収した四百五十八丁を超えている。多発する銃犯罪を受け、警察が取り締まりを強化したためとみられるが、これは氷山の一角だろう。あちこちに銃が潜んでいることに社会全体で危機感を強める必要があろう。

 政府は暴力団などによる銃犯罪に対し、従来より刑期を重くした上に新たに多額の罰金を科す銃刀法改正案を今国会に提出している。暴力団員などが不正な利益のために発砲したら、罰金は最高で三千万円になる。銃を所持していた場合も五百万円以下の罰金刑が加わる。

 経済的打撃を与え、銃を使った犯罪を抑止する効果を狙ったものだ。厳罰化の流れは当然だろうが、とにかく何としてでも不法な銃を社会から一掃することが重要だ。

 暴力団などの犯罪組織は、隠匿や密輸・密売の方法をますます巧妙化させているといわれる。徹底摘発に向け、警察は情報収集力をより高める必要がある。民間も情報提供などで支援していきたい。

(2007年11月26日掲載)
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