[東京 26日 ロイター] 大手生命保険会社は26日、2007年9月中間決算発表の会見で、米サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅融資)関連商品への投資状況について明らかにした。日本生命、明治安田生命、住友生命などは直接投資の残高がないことを明らかにした一方、三井生命や朝日生命は評価損を計上した。
日生の筒井義信常務は決算会見で、ファンド運用の一部でサブプライム関連商品の組み入れがあったものの「むしろ含み益が発生している」と述べたほか、9月末時点で「売却損も評価損も発生していない」と語った。
第一生命は、サブプライム関連商品への直接投資はないとしたうえで、会見で渡辺光一郎常務は「ファンド・オブ・ファンズへの組み込みが多少あるが、売り買いのポジションは両立てで今後の決算への影響は限定的」と述べた。
明治安田生命もサブプライム関連商品への直接投資の残高はゼロであることを明らかにした。会見した堀俊之・運用企画部長によると、保有するヘッジファンドのファンド・オブ・ファンズの「サブファンドのごく一部に(サブプライム関連の)残高があったが(9月末時点で)評価損や売却損はない」という。また、評価損などの計上は「下期にも予想していない」と述べた。
<三井と朝日は評価損を計上>
一方、三井生命と朝日生命は評価損を計上した。
三井生命はサブプライム関連商品への投資残高が30億円あり、9月末で評価損を16億円計上した。会見で同社の松多洋一郎・資産運用部長は、通期決算の損失見通しについて「マックス30億円の損失で限定的だ」との見方を示した。
朝日生命は、サブプライム関連商品を「円建て外債のかたちで5億円保有し、9月末に3億円の評価損を計上した」(高池幸雄・資産運用部長)。円建て外債の中味はCDO(債務担保証券)で、サブプライム以外の証券化商品の影響については「RMBS(住宅ローン担保証券)は米国のものは一切持っていない」(同)と説明した。
住友生命の橋本雅博常務は、サブプライム関連商品への直接投資は「行っていない」と述べたほか、投資先のファンド・オブ・ファンズについても「運用会社にヒアリングをしたところ、投資していないことを確認した」という。 続く...
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