記事入力 : 2007/11/25 10:01:15
“脱・日本式”を目指した完訳『形而上学』
哲学用語の韓国語翻訳に転機か
最近出版された古代ギリシャの哲学者アリストテレス(紀元前384‐322)の代表的著作『形而上学』の完訳本(イージェイブックス刊)は、学界に少なからぬ波を予告している。訳者の金振成(キム・ジンソン)世宗大講師がギリシャ語の原本を翻訳し、既存の翻訳語に対して「叛逆」を試みたためだ。(表参照)
この本で、既存の「存在(einei)」という概念は「ある」、「存在すること(to on)」は「あること」、「一者(to hen)」は「一つ」、「徳」は「優れていること」という韓国語に新しく翻訳された。事物に内在する本質を語る哲学的用語の「形相(eidos)」は「ありさま」、物質の生成変化から見出される幾つかの形相の正体を指す「質料」は「原料」に変わった。1から新しく作り出した用語もある。「経験する状態」「受動的性質」などと翻訳されていた「パトス(pathos)」については、「経験すること」という言葉を使用した。
この作業が注目されるのは、西洋学問の鼻祖ともいうべきアリストテレスの概念語こそが、その後の西洋哲学史において何度も繰り返し登場する中で、専門用語として確固たる地位を得ているからだ。訳者の金氏は「19世紀末以降、日本式の漢字翻訳語が無批判に受容されたが、かえって一般人の理解を難しくしてしまった。単純な代替語ではなく、原文の意味に忠実な韓国語の日常語を探し出した」と語る。これに対し、延世大の曹大浩(チョ・デホ)教授(西洋古代哲学)は「新しい試みも必要だが、伝統的な用語が既に韓国社会で意思疎通の手段として確立している、という点も無視することはできない」と語った。
兪碩在(ユ・ソクジェ)記者
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
- 小学生が日本統治時代の独立運動体験へ /済州 2007/11/26 15:14:11
- 古朝鮮の都は平壌にあったのか(下) 2007/11/25 10:28:34
- 古朝鮮の都は平壌にあったのか(上)
2007/11/25 10:28:28
- “脱・日本式”を目指した完訳『形而上学』
2007/11/25 10:01:15
- 「88万ウォン世代」たちの反論
2007/11/25 09:18:34
- 「日韓中のネット世代が憎みあう理由」とは何か
2007/11/25 09:18:15
- 朝鮮王朝は「君弱臣強」ゆえに滅んだのか 2007/11/25 09:03:49
- 韓国民主化20年を振り返る
2007/11/25 09:02:21
- 興宣大院君が奉納した「釈迦八相図」発見
2007/11/24 12:58:04
- 国立文化財研、1600年前の百済のよろいとかぶと公開
2007/11/23 10:41:16