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犯罪被害 社会で支援を 母子殺害事件遺族 本村さん訴え 11月26日午前10時37分

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 犯罪被害者をいかに社会全体で支えるかを市民に考えてもらおうと、福井県と県犯罪被害者等支援連絡協議会は25日、福井市の県生活学習館で「犯罪被害者等支援県民のつどい」を開いた。山口県光市母子殺害事件の遺族、本村洋さん(31)を招き、講演とパネルディスカッションを行った。

 同日から始まった犯罪被害者週間に合わせ、初の開催。市民約450人が参加した。

 「全国犯罪被害者の会」の幹事を務める本村さんは「犯罪被害者の現状と必要な支援」をテーマに基調講演。社宅で妻と幼い長女が殺された自身の経験にも触れ、犯罪被害者がまず困る点として▽住宅や避難場所▽医療・介護費や生活費▽精神的被害―などを挙げた。

 また、殺人や強盗など凶悪犯罪の摘発率が60%台にとどまることを示した上で「4割近くは加害者が分からない。わたしは加害者を逮捕してもらった恵まれた被害者だ」と表現。「犯罪被害者は少しずつ社会とのつながりを取り戻して回復していく。社会は、支援してくれる存在であってほしい」と呼び掛けた。

 パネルディスカッションは、NPO法人「福井被害者支援センター」の松原六郎理事長をコーディネーターに、本村さん、内閣府犯罪被害者等施策推進室の泉聡子参事官補佐、同協議会会長の川上賢正弁護士、福井大医学部看護学科の長谷川美香教授の4人が、「被害者の求めに的確にこたえるには」を議題に意見を交換した。

 国が給付金の引き上げなど経済的支援に取り組む方針であることや、自助グループの有効性、被害者本人と一般の人との支援に対する考えのずれなどが報告され「県民1人1人がこうした現状を理解した上で被害者を支えていこう」とした。



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