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大津市民病院が腹膜炎を便秘と誤診し死亡 2千万賠償へ

2007年11月26日

 大津市民病院で昨年2月、腹痛で救急外来を受診した市内の男性(当時71)が、腸が破れる重度の腹膜炎を患っていたにもかかわらず、当直の男性医師(38)に便秘症と誤診され、翌日、死亡していたことがわかった。医師は誤診を病院に報告せず、病院は半年後に遺族からの指摘で事実を把握した。市は診察ミスを認めて遺族に謝罪し、26日、損害賠償金約2千万円を支払う議案を12月議会に提案することを明らかにした。

 病院によると、男性は06年2月18日午後2時半ごろ、妻に付き添われて救急外来を受診。レントゲン検査の結果、腸内にガスが充満したことによる腹痛と診断された。医師は便秘薬を処方しただけで男性を帰宅させたという。男性は翌19日も症状が治まらず、市内のほかの病院を受診したが、同日夜、上部消化管(胃)出血性ショックで死亡した。

 診断した医師は20日に、レントゲン検査の結果を見た同僚の放射線医から誤診を指摘された。男性宅に電話して死亡を知ったが、遺族に詳しい説明をせず、病院にも報告しなかったという。

 遺族から申し入れを受けた病院が調査して誤診が分かった。同病院の三沢信一院長は「診断と死亡の因果関係は明らかではないが、入院させていれば救命の可能性があった。同様の事故を繰り返すことのないよう万全を期したい」とコメントした。

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