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入院医療費の保証金徴収が可能に

治療費を払えるのに払わない患者が急増で厚労省が対策

宮本 聰(2007-11-26 20:30)
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 厚生労働省は治療費不払い対策として、入院前に保証金を徴収することを認める方針を明らかにした。

 つい最近まで、

 「法は、保険者が患者から徴収することを可能にしているのであって、未払い分を肩代わりする義務を課していない」

として、否定的な見解を示してきた厚労省だが、2007年6月に未収金問題に関する検討会をスタートさせ、対策を協議した結果を踏まえ、入院前の保証金徴収を認める方針を明らかにしたものである。

 先に問題となった、大阪府堺市の新金岡豊川総合病院の職員が入院患者(63歳)を公園に置き去りにした事件の背景には、治療費の不払いがあったと言われている。

 また子供の治療費を、踏み倒すといった悪質な治療費不払いが多発している。

 本当に治療費の支払いもままならない、生活困窮者や支払い困難者には、別の制度や方策が用意されており、病院によっては分割払いを受け入れているところもある。

 1番問題なのは、負担能力がありながら、支払わないという人である。

 治療を拒否できない医療現場では、治療費不払いを繰り返す人たちに手を焼いている実態が浮かび上がってくる。

 これらを裏付ける様に、都道府県や県庁所在地など自治体が経営する全国290の病院で、患者が支払わない治療費(未収金)が、2002年度から3年間で85億円を超え、1病院平均で約2940万円にもなる(読売新聞調べ)など、日本全国の医療施設で大きな問題になっている。

 業を煮やした厚生労働省は、ついに入院前(治療開始前)に保証金を徴収することを認める方針になったわけである。

 国民皆保険制度の趣旨を逸脱するものとして反対する意見もあるが、今回の方針は止むを得ないものと思う。

 病院に治療に行く人すべてに、保証金の支払いを求めるものではなく、保証金を実際に徴収するか否かは、各病院の経営判断に任されている。そして保証金の徴収にあたっては、金額や返還方法などを話し合い、患者の同意を義務付けている。

 深刻な未収金対策を迫られている公的病院の多くが、保証金の徴収に動き出すと考えられ、私立病院においても、一層拍車がかかるものと予想される。

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