AIRWOMAN COLLIES
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昨日のJKC千葉で、レックスとリズの息子のジークが
グループ3席に入り、JKC−CHに王手がかかった。
このぶんだと、同じくCHに大手がかかっている父親の
レックスよりも早くに完成するだろう。
レックスと福ちゃんの息子のクロム君は、生後9ヶ月に
なったばかりなので、ジークには勝てなかったらしいが
とってもよい感じに育っているので、今後が楽しみだ。
親父のレックスは、毎日、千と一緒に若い者を引き連れ
どわ〜っと運動場と屋内運動場を駆け抜けている。
体当たりをされると危ないので、ウンチを拾うときには
ぶつかられないように気をつけている。
ほとんど同い年のレックスとブランディは、フェンスを
挟んで牽制しあっている。だから、レックスを出す時は
ブランディを引っ込めているし、ブランディを出す時は
レックスはケージの中である。
去勢しないで成犬まで育ったオス同士が、不妊オペを
しないメスが沢山いる環境下で、仲が悪くなるのは、
当たり前である。飼い方を変えればどうとでもなる。
だから、どこかのブリーダーのように、オス同士が
不仲だからと言って片方を里子に出すのは“已む無き
理由”に当たらない。単なる食い扶持減らしの譲渡で
あることを、はっきり認めるべきだと思う。うちだって
正直、食い扶持減らしをしたいと思うくらい、経済的に
苦しい。だけど、それをしないで頑張っている。
レスキューの呼びかけをするよりも、自分のとこから
レスキューしてもらわないように、犬の飼い方を改める
努力をすべきだろう。
レックスの息子達がショーで頑張ってくれているのだが、
ブランディの種オスとしての能力も高く、運動場に立つ
ピリカや福の姿を見ると、確実に父犬から良いところを
引き継いでいるなと思う。首が上がって立ち姿が非常に
良いのである。そして、ブランディの子供である証明の
額のボサボサ毛が出ている。
福と母のターシャは顔も毛色もよく似ているので、暗いと
私でも見間違うことがあるのだが、バリケンから出す時に、
額を見て、ボサボサ毛が出ていれば福だから大丈夫と思い、
ミリオンが出ている運動場へ出す。これがターシャだと
ミリオンと目が合ったとたんに大喧嘩になる。この2頭は
本当に相性が悪い。
今、育てている3胎13頭の子犬のうち、ブランディと
リズの子犬2〜3頭は、ショーリングに立つかもしれない。
うちに残す台牝を含めてであるが。ブランディの子供達と
レックスの子供達と比べ、どう違うか見てみたい。そして、
今後の繁殖のプランを練ってゆきたい。
犬をプロに預けてJKCのショーにエントリーするには、
けっこうな費用がかかってくる。だから、繁殖を頑張って
出陳料を稼ぎ出さねばならない。
純血種を繁殖するには、繁殖犬をショーに出して、犬質の
見極めをする必要がある。農家や酪農家の品評会と同じと
思えばよい。こういった品評会で農林水産大臣賞や内閣
総理大臣賞を取ると、素晴らしい果実や肉牛だと認められ
信用が得られる。犬の場合もそれと同じである。だから、
シリアスブリーダーにはショー出陳は欠かせない。
でも、贅沢な趣味として、いくらでもお金をつぎ込める
ホビーブリーダーではないので、ショーにばかりお金を
かけることは無理だ。飼育の設備を整え、優れた種牡や
台牝たちを揃えるのが先だ。
そして、多くの犬達を養いながら、繁殖引退犬の世話も
しながら、ドッグショーに出陳してゆかねばならない。
犬の繁殖を趣味ではなく、職業としてやってゆくのは
非常に厳しい。
だけど、そういう厳しいのを承知で、職業として選んで
いるからこそ、24時間態勢で臨めるし、多くのコリーの
飼育を経験できる。NETや本の受け売りではない知識で、
中高年のコリーの世話の仕方や最期の近づいた老コリーの
介護の仕方も飼主さんに教えてあげれるのである。
7歳過ぎた犬を手元に置かないようなショーブリーダーも
多いわけだけれども、飼主さんが、本当にブリーダーに
飼育のアドバイスを求めたくなるのは、子犬の飼育時期と
老犬の介護時期である。
人間の場合も同じだけれど、子犬の世話も老犬の世話も
何がきついって、2時間ごとに排泄その他で起こされて
世話する人間の睡眠時間が無くなることだ。疲労は溜まる
一方である。15分ごとに起こされるようになれば、もう
拷問のような感じである。だから、迷子犬アルファ問題で
繰り返し述べたように、1人暮らしの老人に大型の老犬の
世話は難し過ぎるのである。
子犬や子供の場合は、生後何日になれば、授乳の間隔が
長くなる、トイレの間隔が長くなると分かっているし、
世話する人間は、少しずつ楽になってくる。でも老犬や
老人介護の場合は、いつまで苦しい介護が続くか目処が
立たないし、トイレの間隔も給餌の間隔も短くなってきて、
世話が楽になるどころか、日を追うごとにしんどくなって
くるのである。
そして、子犬の場合は、辛い飼育の時期を通り越せば、
明るく楽しい未来が待っているけれども、老犬の場合は、
辛い介護の時期を通り越した先には、更に辛い死別という
奈落の底が待っている。
その奈落の底から引っ張り上げてあげる為のアドバイスや
ペットロスから救われる為の新しい子犬を提供できるのも
ブリーダーである。だけど、ブリーダー自身が、奈落の
底を経験せずにいたのでは、何も語れない。全ての犬の
最期を看取ることは無理でも、何頭かは自分自身の手で
介護して見送った経験が無ければ、いくらドッグショーの
賞暦が素晴らしかったとしても、その犬種の専門家だとは
言えないと思う。