倫理研究所
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倫理研究所は、「地球倫理」を推進します。


「地球倫理」の提唱

地球環境の汚染や生態系の破壊がこれほどまでに広がるとは50年前には考えられないことでした。地球の保護・保全は、新世紀を迎えた人類に課せられている最大の課題にほかなりません。
昭和60(1985)年に、倫理研究所の2代目理事長である故・丸山竹秋による「地球倫理の推進」と題する論文が、機関誌『新世』の9月号に掲載されました。ここに「地球倫理」という言葉が、日本で最初に登場したのです。草花
「地球倫理」とはなんでしょうか。それは端的に言って「地球の安泰を最高目標とする、地球人の、地球人による、地球人のための倫理」のことです。
人間は地球上で生活を営み、地球と離れては生きられません。倫理の主体は地球人ですから「地球人の」と表現できます。
また倫理とは実践をしてはじめて意義をもつのですから「地球人による」と言います。さらにこの実践によって人々の生活が立派になり、地球それ自体の秩序が保たれ、平和社会が建設されるゆえに「地球人のための」と表現するのです。

地球の安泰が最高目標

地球は、あらゆる生命を生みかつ支えながら、大回転している生きた大円球です。地球が安泰でなければ、地球人のどのような幸福も実現しません。"われわれは地球の一部である地球人"との自覚に立ち、地球の安泰という最高目標を実現するための規範となるのが「地球倫理」です。
「地球倫理」は、倫理研究所が長年にわたって研究の対象とし、実践・普及のよりどころとしてきた「純粋倫理」に基づいています。すなわち、一般的な社会ルール(人為的なきめごと)ではなく、自然な生活法則に根ざした「純粋倫理」からさらに地球的な視野を持ち、環境保全の実践を含めた地球の安泰をめざすグローバルな倫理として提唱しているのが「地球倫理」なのです。 この倫理の主体はもちろん人間ですが、対象は人間だけではありません。他の生物にも、山林河川も含む地上の森羅万象にまで倫理の対象が広がるところに大きな特色があります。

「地球倫理」の理念と生命観

「地球倫理」は「調和協調、共尊共生」という理念に支えられます。
草花近代文明が発達してから以降、人類は際限のない欲望につき動かされ、自然を収奪の対象とし、生態系を破壊し続けてきました。そうしたエゴイズムの拡大に歯止めをかけ、自然のルールに則した調和を呼び戻さなければなりません。そして、人類全体の幸福増進のために協調し、他のあらゆる存在を尊重して共に生きることが求められます。それら調和協調・共尊共生の精神は、そのまま「地球倫理」を支える理念にほかなりません。
この理念を実にするためには、生命についての認識を新たにする必要があります。それは、生物と非生物とを問わず「すべてのものが生きている」、そして「万物はひとつながりである」という生命観です。 ふつう生物は外界とのエネルギー交換、即ち代謝機能を持ち、さらに生殖能力を持つことで非生物と区別されます。しかし、コップや山や水といった非生物も「生きている」のです。コップはコップとしての形、特性をしっかりと保つはたらきがあり、山も岩も水も、すべての存在がはたらきを有しています。
人間には、その人間をして人間たらしめるもとのものがあるはずです。同様に、木には木を、草には草を、石には石を、それぞれ木であり草であり石たらしめるもとのものがなければなりません。そうした根元的な力やはたらきを「元基」と呼ぶことにしましょう。「元基」の次元で見れば、万物が生きていて、ひとつながりになっています。
もともと地球と人間は一体で、独立して個々別々に存在することはできません。人間をはじめ地上に存在するものはすべて、地球という場を離れることはできず、無機物や他の生命体と「元基」でつながっています。その意味から、現象界のすべての存在が尊いのです。お互いを尊び、調和協調しなければ共尊共生は実現できません。そのような認識を欠いたまま、エゴイズムばかりを膨れあがらせた結果、今日の深刻な地球環境の悪化を招いてしまいました。

大調和の原理

さらに「地球倫理」の理念は、「物と境(さかい)が不離の関係にある」という原理に支えられています。 それぞれの物には一定の形があります。形があるということは「空間のどこかにある」ということです。さらに物は空間と結びついた時間の流れの中にあるので、時間と空間の制約からはずれることはできません。草花時間の流れを背景に、物を載せ、物を物としてあらしめる場(環境)を「境」と呼びましょう。たとえば、一本のペンという物にとって、それを載せている机は境です。家は屋敷という境に建ち、農夫は田畑という場に働きます。広く地上の物一般は、地球の表面を境として存在しているのです。 このように物と境とは必須不可欠の関係にあって、物が物としてあるためには必ず境があり、物なくして単に境だけあるということはありません。
さらに物にはそれにふさわしい境があります。食堂に自動車を入れるわけにはいかず、ガレージに食卓を置くのもおかしなものです。農夫がビルの一室に居たのでは仕事になりません。
ところが現代人は、知らず知らずのうちに物と境、個物と環境を別々に見てしまい、物を境から勝手に切り離してしまうクセがついてしまいました。そのためにさまざまな調和の乱れが起こるのです。物は、境と切り離しえないだけではなく、どの境に置かれるかによって「存在の質」が異なってきます。たとえば一輪のバラの花を活けるとき、空き缶に挿すのと、清楚な花瓶に挿すのとでは、バラの花の「存在の質」が違います。そのように存在の質の高い次元で物と境が結びついている姿が「存在大調和の相」です。この世における人間の使命は、境をいよいよ良き境たらしめ、物をいよいよ良き物たらしめて「存在大調和の相」を実現することにあると言えましょう。地球環境の保護保全は、大調和を実現する元となる場づくりにほかなりません。倫理研究所では次のような「地球を救う10の実践」を提唱してきました。

1、家庭の小さな庭やベランダでも木を植えよう草花
2、緑を大切にしよう
3、清掃を徹底しよう
4、ゴミを持ち帰ろう
5、紙を大切に使おう
6、電気を節約しよう
7、ガソリンを節約しよう
8、水を節約しよう
9、水を汚さないようにしよう
10、物のリサイクルをはかろう

このようなだれにでもできる実践を、日常つとめて心がけたいものです。
さらには日々の明るいあいさつや返事、きめごとの遵守、丁寧な後始末や清掃など、人間として当たり前の行為も「地球倫理」の大切な実践になります。たとえば、食前食後に「いただきます」「ごちそうさまでした」と心から感謝を込めて挨拶をする習慣は、地球を安泰にすることと明らかに結びついているのです。20世紀は人類が「いのち」から遠ざかった時代でした。21世紀を真に「いのちの世紀」とするためにも、「地球倫理」を広く呼びかけ、その実践に励みたいものです。

地球倫理推進賞

倫理研究所では、こうした地球倫理を広く推進する一環として平成10年に地球倫理推進賞を設け、地球倫理に実践面で貢献している団体を定期的に顕彰しています。

第10回地球倫理推進賞贈呈式の模様はこちらからご覧になれます。

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