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解剖対象外もCT検査

死因3割特定 千葉大医学部

2007年11月26日11時26分

死因検査に使われるCT装置(千葉大医学部提供)

 千葉大医学部(千葉市中央区)は、遺族の承諾や県内の病院からの依頼があったすべての遺体についてコンピューター断層撮影(CT)検査を行う体制を整えた。同学部は「解剖の補完的役割もあるが、CTだけでも約30%の死因が分かる。後に事件性が明らかになる場合などを考えると、死亡時の客観的証拠の保存は重要」とし、遺族が解剖を望まない場合はCT検査のみでも受け付ける。日本医師会でも死亡画像診断活用の検討委が立ち上がっており、同大はモデルケースとして注目を集めそうだ。

 県内で唯一司法解剖を行う千葉大の法医学教室は昨年、死因特定の精度を高めようと、全国で初めて司法解剖対象の変死体のCT検査を導入した。これに続く取り組みとして、同大医学部は今年八月、病理解剖前の遺体もCT検査の対象に加え、さらに、遺族が解剖を望まない場合にはCT検査のみでの受け付けも開始した。

 同学部放射線科の山本正二講師は「遺体にメスを入れることに対して遺族の承諾は取りづらい。その場合、これからは代わりにCT検査を提案する。死因解明につながるだけでなく、後に医療過誤が疑われた場合などを考えると、死亡時の客観的証拠を残しておくことは重要」と意義を説明した。撮影画像はデジタルデータで保存さ
れる。

 山本講師によると、CT検査は骨折や内出血の発見に効果的で、患者の生前情報がなくても約30%は死因が分かるという。解剖と併せて行う場合は二重検査として補完的に機能し、死因特定の精度を高めるだけでなく、解剖前に注意点を指摘することもできる。費用は病理解剖の十分の一以下。

 死因解明のためのCT検査は、附属病院の患者に限らず、ほかの病院からも県医師会を通じて受け付ける。同学部は窓口として「オートプシー(解剖)・イメージングセンター」を八月に設置。周知のため、二十七日に附属病院で公開セミナーを開く。

◆死因解明のための解剖
 事件性のある変死体を対象とする「司法解剖」と、変死体のうち事件性は明らかではないが遺族の承諾を得て実施する「行政解剖」、病院で死亡した患者で遺族の承諾を得て実施する「病理解剖」の3種類がある。県警によると、昨年、司法解剖は変死体約7千体のうち約2百体で実施。行政解剖は3体。病理解剖を行う県内の病院も千葉大など一部に限られ、同大では昨年26体実施。


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