妊産婦へアパート貸与/県病利用者に(2007/11/26)
青森県が妊産婦や家族に貸し出す部屋の内部。食器類など生活に必要なものがほぼそろっている(県提供)
 青森県は青森市外から県立中央病院に通院、入院する妊産婦や家族の経済的、精神的負担を軽減するため、民間から借りたアパートを貸し出す「宿泊施設事業」の試験運用を十一月中旬から始めた。部屋には日用品や電化製品がそろっており、夜間の急な宿泊にも対応でき、最長で二週間の滞在が可能。民間の施設を利用した全国的にも珍しい取り組みだという。
 
 深刻な医師不足を抱える県内では産科医の集約化が進み、県病には県内各地から重度な症状の妊産婦が搬送される。
 このため、急きょ県病の集中治療室で治療を受けることになった妊産婦とその家族の負担を軽くしようと、青森市内のアパートを安い料金で貸す方針を決めた。ほかに市外から県病への通院が必要な、高齢出産などのハイリスク妊婦らも対象にした。
 同事業は二〇〇八年度まで二カ年の重点事業。本年度は試験運用のため無料で部屋を提供。利用者の意見を聞き、課題を探った上で、正式な利用料などを決める。
 部屋は、県病までバスで約十五分の市街地にある。
 台所付きの八畳で、テレビや冷蔵庫、調理器具、食器類など、布団以外は生活に必要な日用品がそろっている。
 県は当初、通院に便利な県病近くのアパートを想定したが、家主から「入居者の入れ替わりが激しい」、「救急車が頻繁に来る」などの理由で断られたという。
 宿泊の申し込みは県病で受け付けており、県は「全国的にも珍しい事業。業者との交渉段階から来年度の参考になった」と話す。
【写真説明】
青森県が妊産婦や家族に貸し出す部屋の内部。食器類など生活に必要なものがほぼそろっている(県提供)

now loading..................