環境のことを考えると…
ちょっとクルマを使うだけで
あなたが排出するCO2(二酸化炭素:温室効果ガス)は
何倍にもなってしまいます。
クルマを使った場合のCO2の排出量は・・・

クルマを1時間使うだけで、平均で約5kgのCO2が排出されます。
これは、平均的な日本の家庭での1日の排出量と、ほぼ同じ。
つまり、クルマを使うと、CO2の排出量は何倍にもなります。  

CO2を減らすには、「クルマ利用を少し控える」ことが抜群に効果的!

「環境に優しい行動」としては、冷暖房の温度調整や、リサイクルよりも、
クルマ利用を少し控えることの方が、ずっと効果的です。

*上図の数値に関する詳しい計算方法や考え方については、以下をご覧ください。

●排出するCO2の重さ●

まず、”クルマを使わない1日”の生活で排出するCO2の重さについて見てみましょう。これは以下に示すデータをもとに計算しています。

  1. 1世帯あたりの年間CO2排出量は、5,900kg/世帯・年
    ※環境省(当時環境庁)、1999年(そのうち、自動車から排出される割合は35%)
  2. 日本の1世帯あたりの平均人数は、3.3人
    ※平成12年度国勢調査、ただし1人暮らしを除く

これらのデータから計算すると、
クルマを使わない人が、1日に排出するCO2の量は、約3.2kgとなります。

次に、”クルマを1時間つかう1日”の生活で排出するCO2の重さについて見てみましょう。

  1. クルマが1人を乗せて1km移動すると、172gのCO2を排出。
    ※交通エコロジーモビリティー財団:「運輸部門年次報告書−環境にやさしい交通の創造−、2001-2002」から、“47g-C”に“44/12”(CとCO2の換算係数)を乗じて算出
  2. クルマは、時速30kmで走る。
  3. 1日あたりのクルマの利用時間の平均を、1時間。

これらのデータから計算すると、
クルマを使う人が、1日に排出するCO2の量は、約5.2kgとなります。

つまり、
”クルマを使わない人”の、1日のCO2排出量は、3.2kg
”クルマを1時間使う人”の、1日のCO2排出量は 3.2 + 5.2 = 8.4kg

クルマを使う人は、クルマを使わない人と比べて、1日あたり2倍以上のCO2を排出することになります。

[参考ホームページ]
東京工業大学藤井研究室ホームページ 「クルマの利用と環境問題」参照

●1年間あたりのCO2削減量●

CO2排出削減効果の詳しい算定方法は、次のとおりです。

〔参考文献〕太田裕之、藤井聡: 環境配慮行動における客観的CO2排出削減量事実情報提供の効果に関する実験研究 土木学会論文集、2007


●節電に関する取り組み

環境省※1の示すCO2原単位0.36kgCO2/kwhというデータを用いて、以下の行動におけるCO2排出削減効果を算出しました。

1)冷房の温度を1℃高く、暖房を1℃低くする。

2.2kW機器のエアコンにおいて、外気温35℃、設定温度を27℃から28℃へ変更する際、1時間あたり電力消費量16.2Whが削減されます。
また、外気温7℃、設定温度を21℃から20℃へと変更すると、1時間あたり電力消費量46.86Whが削減されます(省エネルギーセンター※2)。
冷房使用112日間、暖房使用169日間それぞれ1日あたり9時間使用するものとし、1世帯あたり年間で32kgのCO2が削減されます。

2)照明をこまめに(1日合計60分)消す。

15Wの蛍光ランプを1灯、毎日1時間消灯すると、年間で2kgのCO2が削減されます。

3)テレビの利用時間を1日60分減らす。

100Wのテレビを1日1時間短縮すると、年間で13kgのCO2が削減されます。

4)冷蔵庫にものを詰めすぎないようにする。

周囲温度25℃、設定強度中で標準詰め込み量を2L容器で入れた場合と、500mL容器で入れた場合の24hの消費電力量を測定した結果、電力消費量187.5Whが削減されます(省エネルギーセンター※2)。このデータに原単位を乗じることで算出した結果より、1世帯あたり年間24.6kgのCO2が削減されます。


●ガスの節約に関する取り組み

環境省の示すCO2原単位2.1kgCO2/m3というデータを用いて、以下の行動におけるCO2排出削減効果を算出しました。なお、原単位は都市ガスの値を用いました。

5)家族で続けて風呂に入り、追いだきを1日1回減らす。

給湯器の実測結果より熱効率85.6%と算出され、それを用いて、周囲温度20℃、45℃のお湯200Lが2時間で40.5℃となったときの45℃までの追いだきのためのエネルギー消費量を算定すると、ガス消費量が104.67L削減されます(省エネルギーセンター※2)。
これらのデータに原単位を乗じ、算出した結果より、1世帯あたり年間80.2kgのCO2が削減されます。

6)お風呂でシャワーを1日2分減らす。

給湯器の実測結果より、利用温度45℃、12L/分の条件のもと、1分あたりのエネルギー消費量、水消費量を求め、1日1回あたり、シャワー利用時間を10分程度とした場合のエネルギー消費量と、1回あたり1分短縮した場合の省エネ効果はガス25.32L、水12L/分でした(省エネルギーセンター※2)。
ガス使用の原単位、および、水使用1m3あたり0.58kgのCO2が削減される(環境省)ことをあわせて算出した結果、1世帯あたり年間43.9kgのCO2が削減されます。


●ゴミの削減に関する取り組み
7)買い物の際、袋や容器等の包装材が少ないものを選ぶ。

京都大学の調べにより、4人家族が3日分の食事のためスーパーと市場で同じ材料を購入したときの包装材の重量差のCO2原単位は638.3gCO2(全国地球温暖化防止センター※3)。上記データをもとに、平均世帯人数を3人とし、算出した結果、1世帯あたり年間58.3kgのCO2が削減されます。

8)ビン、缶、ペットボトル、牛乳パック、食品トレイを全てリサイクルに出す。

年間総生産量は、ペットボトル437kt(環境省※4)、缶361億個、そのうち54%がスチール缶、46%がアルミ缶(社団法人日本鉄鋼連盟スチール缶委員会※5)、ガラスびん1.625Mt(日本ガラスビン協会※6)、牛乳パック166億個、食品トレイ52kt(EICネット※7)。また、それぞれのCO2原単位はペットボトル0.07kgCO2/個(製品単体重量は40gとする)、スチール缶0.04kgCO2/個、アルミ缶0.17kgCO2/個、ビン0.11kgCO2/個(製品単体重量は350gとする)、牛乳パック0.16kgCO2/個、食品トレイ0.008kgCO2/個(製品単体重量は7gとする)。

これらの条件および、平成12年国勢調査※8による人口127,000,000人を用い、1人あたりの削減量を求め、1世帯あたり3人、および屋外から出る量を1/3、屋内から出る量を2/3と仮定し、算出した結果、1世帯あたり年間121.2kgのCO2が削減されます。


●クルマ利用に関する取り組み

環境省の示す「ガソリン使用1Lあたり、2.3kgCO2/L」という原単位を用いて、以下の行動におけるCO2排出削減効果を算出しました。

9)1日平均10分クルマの利用を控える

燃費は10km/L、時速40km強で1分に0.7km進むものとし、年間365日で算出した結果、1世帯あたり年間587.6kgのCO2が削減されます。

10)1日5分間アイドリングストップを行う

アイドリング1分間で13ccの燃料が消費される(交通エコロジー・モビリティー財団※9)とのデータを用い、1日5分、年間365日として算出した結果、1世帯あたり年間54.6kgのCO2が削減されます。

参考資料
※1環境省地球環境局地球温暖化対策課:環境家計簿,1999
※2財団法人省エネルギーセンター:新スマートライフチェック25,2004
※3全国地球温暖化防止活動推進センター
※4環境省廃棄物・リサイクル対策部:平成15年度容器包装リサイクル法に基づく市町村の分別収集および再商品※化の実績について、2004
※5スチール缶委員会:日本の飲料缶の用途別・素材別生産量内訳、1999
※6日本ガラスびん協会:地球温暖化対策公表、2001
※7EICネット:エコライフガイド
※8総務省統計局:国勢調査,2000
※9交通エコロジーモビリティー財団:運輸部門年次報告書−環境にやさしい交通の創造−、2001-2002

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