中国へ販売強化「富裕層掘り起こし」シモンズ社長 (1/2ページ)

　高級ベッド製造販売、シモンズ（東京都港区）の小野寺優社長は産経新聞のインタビューに応じ、富裕層が増加する中国市場での販売を強化する方針を明らかにした。世帯普及率が横ばいで推移する国内市場は、中国や東南アジアからの輸入攻勢を受ける厳しい状況が続く。同社は中国事業の強化を軸に、５年後の海外輸出額を現在の倍の１００億円に拡大する。経済発展に伴って増大しつつある高所得世帯の掘り起こしを図る狙いだ。

　「中国では、辞書で『シモンズ』を引くと、マットレス付きのベッドと書いているほど、ブランド力がある」。親会社のニフコ時代に中国統括責任者を経験した小野寺社長は、中国での販売競争に自信を示す。戦前、米シモンズが中国で事業展開した実績から、他社に比べ認知度の高さが優位に働くとみる。

　同社は、昭和６２年に米シモンズ社から資本的に独立し、日本を含むアジア２３カ国・地域でシモンズブランドの独占販売権を持つ。９０年代に上海で工場を設立して中国進出を図ったが、富裕層が育っておらず、現地製造から撤退した経緯がある。