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労働関連2法
FujiSankei Business i. 2007/11/17

最低賃金法改正案を可決した衆院本会議=8日
最低賃金法改正案を可決した衆院本会議=8日
 
 ■最低賃金底上げ・雇用規則明文化/労使双方にメリット

 今国会で、労働者にとってメリットとなる2つの労働関連法が成立する見通しです。

 1つは、労働者に支払われる最低賃金の底上げを図る「改正最低賃金法」。もう1つは、労働者の働き方の基本的規則を定める「労働契約法」です。

 政府・与党と民主党が法案の修正協議で合意し、8日の衆院本会議で両法案が可決、参院に送付されました。会期が延長されたため、今国会中の成立が確実となっています。成立すれば、所管官庁の厚生労働省は1年以内に施行する予定です。

 改正最低賃金法の最大のポイントは、賃金を決める際、生活保護費水準との整合性を考慮するように決定基準を明確化した点です。

 これまでは、一部の地域で最低賃金が、生活保護費を下回っていました。一生懸命働いて得た賃金が、事情があって働けない人に支給される生活保護費に及ばないという状況は、労働者の働くモチベーション(動機付け)を大きく低下させていました。

 また、企業が最低賃金を払わなかった場合の罰金も、上限を2万円から50万円に引き上げ、罰則が強化されています。

 与党と民主党の修正協議により、最低賃金を決める際に考慮する要素として「労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるようにする」との内容が法律に明記されました。この一文を追加したことで元の政府案よりも、最低賃金の引き上げ幅の上積みも期待できます。

 2007年度最低賃金の全国加重平均額は時給687円(06年度673円)です。地域別の額は、最終的には各都道府県に置く「公・労・使」の3者で構成する審議会が物価などの地域の経済指標を参考に決めます。

 一方、労働側と経営側の契約となる出向、転籍、懲戒、解雇などの基本的な雇用規則を明文化したのが、新法の労働契約法です。基本規則ができることで、労使ともに解雇や転籍などが、合法的な手続きによって行われたかどうかがわかりやすくなります。規則をつくり、労働紛争を未然に防止することが最大の目的です。

 与党と民主党の協議で、有期雇用の労働者を契約期間中に解雇する場合は、「やむを得ない事由がある場合でなければ」解雇はできないとの修正が加わりました。パートなどの労働者に配慮がなされています。

 労組の全国中央組織である連合の総合労働局総合局長の長谷川裕子さんは「法律ができること自体に意味がある」と評価。経営側も、日本経済団体連合会の専務理事の紀陸孝さんは「トラブルが回避できる。それは労使双方のメリットだ」と話しています。(佐藤哲夫)

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