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国内在来種、初の発症例 カエル・ツボカビ症

2007年11月12日08時11分

 両生類の世界規模の激減に関係しているとされるカエル・ツボカビ症は、国内の在来種のカエルにも死に至る症状を起こすことを、麻布大獣医学部などのグループが初めて実験で確かめた。神奈川県相模原市であった研究会で10日、松井久実・同大講師が発表した。

 野外で捕まえた健康なカエルの水槽に、ツボカビ症のカエルを飼った水を入れて変化を調べた。実験開始から47日目の10日までに100匹のうち17匹が死んだ。ヌマガエル3匹とコガタハナサキガエル1匹の計4匹が、ツボカビ症を発症していたことを病理学的な検査で確かめた。

 国内では昨年12月、ペットの外国産カエルで初めてツボカビ症が確認された。今年6月には野生のカエルとして初の感染例が、外来種のウシガエルで報告された。

 ただ、カエルの種類によっては感染しても発症しないことがあり、国内の野生のカエルに対する影響は、わかっていない点も多い。宇根有美・同大准教授は「野外での発症例や大量死はまだ見つかっていないが、カエル・ツボカビが広がらないよう、引き続き警戒が必要だ」と話している。

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