2002年10月15日号 スターまるかじりインタビュー
【第4回目】 ジェリー藤尾
今月のスターまるかじりインタビューは、昭和36年「悲しきインディアン」でレコードデビューし、翌年には「遠くへ行きたい」の大ヒットで一躍人気者となったジェリー藤尾さん。ユニークなキャラクターと人懐っこい笑顔で、歌手以外にも映画、お茶の間のバラエティー番組と幅広い活躍を見せ、その存在はまさに“日本のエンタテイナー”と呼ぶに相応しいものだ。そんなジェリーさん、今年4月でなんと!レコードデビュー40周年を迎えたそうだ。
インタビュー当日は群馬県の会館でショーが行なわれ、ぢゅんちゃんも久しぶりにジェリーさんのステージを堪能させて頂きました。
インタビュアー ジュン・北川(キタガワレコード店長)
【日本のエンタテイナー】
(ぢゅん) 相変わらずエネルギッシュな歌声と爆笑トークで、久しぶりに良質なエンタテイナーのステージを見せて頂きました。どうもありがとうございます。それにしても物凄い声量ですね!
(ジェリー)どうもありがとう。大体、年になってくるとさ、キー下げて歌うじゃない?あれじゃ、お客様が好聴いていた歌とは別物になっちゃうでしょ。僕なんか今でも元のキーのまま歌いますからね。もっと上げようかなんて言うこともありますよ。(笑)
(ぢゅん) ジェリーさんのステージやテレビを見ていると、若造の僕が言うのも失礼なんですが“正真正銘・日本のエンタテイナー”だと思うんですよ。上手く言えないんですが、ステージの作り方とか、どんな歌でもジェリー藤尾の歌にしてしまう魔力みたいな…。
(ジェリー)まず歌が好きってことが前提で、プロとして聴いていただいてるんですから、きちんと歌うのが使命だと思いますよ。ジャンルなんか関係なく、どんな歌であってもね。得意な曲だけ巧いんだったら、素人さんの中にもいるでしょう。プロならば、何でも歌えなきゃいけない。当たり前のことでしょ?
(ぢゅん) やはりあれだけ歌って、喋ってとなると普段から節制されてるんですか?
(ジェリー)節制?してないなー。酒は飲むし、煙草も吸うしね。まぁ、この喉を与えてくれた親に感謝ですね。
プロの歌手がいない…
(ぢゅん) 僕は最近のJ−POPなんかも良く聴くんですが、たまに何を歌ってるかわからない歌手がいるんですよ。バックの音はカッコイイんですけど…。それに比べジェリーさんは日本語がはっきり聴こえて、後の客席で拝見していてても詩の意味がちゃんと理解できるですよ。きれいな日本語にメロディーが乗っているって感じで。
(ジェリー)6才まで上海にいて、英語しか喋れなかったから、日本に引き揚げてきてからは日本語を一生懸命勉強したんですよ(父が日本人、母はイギリス人)。今じゃ、自分の国の言葉なのに正しい日本語を喋れない日本人が多いと思う。上の世代の人間が悪いんだと思いますけどね。
(ぢゅん) では、今の歌手の方々をどのような感覚で見てらっしゃいますか。
(ジェリー)今はほんとにプロの歌手がいなくちゃったと思いますよ。プロならば、スターでいなきゃいけないよね。みんなの憧れの的であってさ。それには一流であるべきなんだよ。これは当り前のことを言ってるんだけどね。
(ぢゅん) とりあえず今は比較的簡単に素人からすぐに歌手、タレントになれる時代ですからね。みんながそうと言ってるわけではないと思うんですが、ジェリーさんの時代、スターは雲の上の存在だったんですよね。
(ジェリー)その通りです。だから若い人たちももっと、自分というスタイルを持って色んな意味で磨いていって欲しいと思いますよ。
(ぢゅん) 今日は、貴重なお話をありがとうございます。そろそろお時間が来てきまいました。また
是非ステージを拝見させていただきたいと思いますので、お体に気をつけて益々のご活躍をお祈りしてます。
【ぢゅんちゃんのインタビュー後の感想】
取材の途中でお孫さんたちの写真を見てニコニコしていたジェリーさん。温かい人柄が滲み出た笑顔の中に、自分に対する歌手としての誇りと、人に対する厳しさとやさしさを持った人だな、と思いました。これから先も10年、20年、いや生涯現役で僕たちを楽しませください。日本のエンターテイメントとして!
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