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売れても困る? 紀州の梅 低級品ばかり出回りブランドイメージに傷 (1/2ページ)
中国産食品の安全性が問題視され、国産食品が見直されるなか、日本一の梅の産地として知られる和歌山県で、特産の「紀州南高(なんこう)梅」が、これまで押されっ放しだった安価な中国産を抑えて売れ行きを伸ばしている。ところが、消費者が中国産の値段に慣れてしまったためか、売れているのは南高梅の中でも“すそもの”と呼ばれる比較的安い低級品ばかり。「『これが紀州の梅』と思われても困る」と、手放しでは喜べないジレンマに悩まされている。
地元農協によると、南高梅は傷や斑点の有無などによって最上級の「A」から「B」「C」「その他」の4等級に分類。価格もAが高く等級が下がるにつれて安くなる。有力産地の田辺市では、今年の生産量は2万2000トンと例年並みで、半分が「A」。例年約3万トンを収穫するみなべ町でも品質は高かった。
ところが、実際に売れゆきが伸びているのは「C」や「その他」に分類される低級品。特に「その他」は、果肉が堅かったり、皮が破れたりしたもので、農家がJAなどに出荷する価格は10キロあたり1500円前後といい、梅干しではなく、果肉を利用する加工用に主に使われていた。