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大相撲九州場所:万雷「魁皇コール」後押し “進退場所”カド番脱出

 ◇初場所出場「その気持ちです」

 カド番で迎えた大相撲九州場所に、進退をかけて臨んだ福岡県直方市出身、大関・魁皇(35)が14日目の24日、ようやく勝ち越しを決めた。

 空席が目立った九州場所だが、魁皇の存在は別格。呼び出しがしこ名を告げると、場内を魁皇コールと手拍子が包む。そんなファンの後押しの大きさに対戦相手も戸惑った。

 10日目に魁皇を破った豊ノ島は「取組後『空気読めよ』という雰囲気があった」と振り返る。升席から「こういう時は負けるもんだ」との声が飛んだ。12日目に敗れ、7勝目を献上した旭天鵬は「ずっと魁皇コール。花道の帰りに『ありがとう』って。がっくりきたよ」とぼやいた。

 九州場所は3年連続のカド番場所だが、今場所は白星と黒星が交互に並び、終盤になるほど応援は熱を帯びた。魁皇も、そんな期待に「頑張らないとね」と自らを奮い立たせた。この日は過去10勝19敗と分の悪い大関・琴光喜だったが、抱え込むように下手投げを決めた。

 升席で観戦していた福岡県須恵町の大田忍さん(72)は「今日は良かった。最高やね。引退と背中合わせで、よく頑張っている。根性があるよ」と相好を崩した。歓声は、優勝を争う結びの白鵬・千代大海の大一番をはるかにしのいだ。

 名古屋場所で痛めた左太ももはサポーターに覆われたまま。場所中には、ろっ骨にひびが入り、せきをすると顔をしかめるなど満身創痍(そうい)。師匠の友綱親方(元関脇・魁輝)も「正直、最後まで持つとは思わなかった」と振り返る。

 周囲の騒ぎをよそに、支度部屋に戻った魁皇。硬い表情は崩さなかったが、「来年の初場所も雄姿を見られるのか」という報道陣の問いにきっぱりと答えた。「その気持ちでいます」【田原和宏】

毎日新聞 2007年11月25日 西部朝刊

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