広島市は自殺防止のため、市民3000人を対象にした心の健康に関するアンケートの結果をまとめた。自殺につながりかねない、うつ病について、4人に1人は病院に行く考えがないなど、正しく理解されていない現実が浮き彫りになった。専門家は「自殺防止に向け、市民が適切な対応できる仕組みづくりが急務」と指摘している。
調査は、昨年10月に国の自殺対策基本法施行後、政令市で広島が初めて。6月に無作為抽出した20歳以上の男女のうち1636人(54.5%)が回答した。うつ病など心の病気について、64.9%が「適切な治療で治る」と正しい認識を示した。自分がうつ病になった場合、「病院で受診しない」は25.0%、「かかりつけ医を受診」が33.1%、「精神科など専門医を受診」は32.3%だった。理由は「自然に治る」「特別な人がかかる病気」など誤った認識も目立った。
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