【名護】米軍普天間飛行場移設問題で地元の歩み寄りを促すことを念頭に、政府が凍結していた北部振興策の本年度分予算100億円を執行する方針を固めたことについて、地元名護市からは24日、北部振興策の執行を基地移設と関連付けている政府の姿勢を疑問視する声が相次ぎ「信用をなくす」「卑劣だ」などと批判の声も上がった。
島袋吉和市長は、北部振興策が基地問題と関係なく進められるべきとの従来の立場を堅持した上で「確認してから正式にコメントしたい」と述べるにとどめた。
市商工会の荻堂盛秀会長は「北部振興策は地域間の格差をなくすためのものだ。政府は当然(予算執行を)行うべきだ。基地移設にも名護市は協力しており、不安定な対応はやめてほしい。世界で信用をなくす」と指摘した。
移設先の名護市辺野古で阻止行動を続ける平和市民連絡会の平良夏芽共同代表は「県経済の窮状につけ込んで札束で張り倒すやり方だ。金で反対の声を上げにくくする卑劣な行為。人としてやるべきことでない」と強く憤った。
ヘリ基地反対協議会の安次富浩代表委員は政府の「アメとムチで揺さぶる手法」と批判した上で「沖縄の依存体質が問題だ。基地関連の振興策にどっぷりつかっているから政府にそこにつけ込まれる。この10年で何が変わったろうか。自分たちで首を絞めているんだ」と指摘した。
県幹部「正常化した」
政府が北部振興策を執行する方針を示したことについて、県幹部は「代替施設の移設が進展しないということで執行が留保されていたが、北部振興策は県の均衡ある発展のために確保されていたものと認識しており、その意味では正常化したということだ」と述べた。
(11/25 9:46)