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「かぐや」に続け 6大学の学生、月探査機計画

2007年11月25日15時27分

 「かぐや」に続け――。東京大や大阪府立大、九州大など六つの大学の学生らが月に探査機を送る計画を検討している。欧米の学生らも米航空宇宙局(NASA)などの支援で月探査を準備しており、数年後には世界の学生らによる「月探査ラッシュ」が見られるかもしれない。

 工学系の学生らの小型衛星づくりは世界的な流れ。日本も03年に東京大と東工大が、それぞれ質量約1キロの超小型衛星を打ち上げている。ただ、月まで探査機を飛ばした例は過去にない。

 六つの大学の学生らが検討している探査機は、質量100キロほど。ほかの衛星を載せるH2Aロケットなどに相乗りして打ち上げる。月を周回しながら、月面や地球の撮影などをする。

 開発費は数千万〜1億円。まとめ役の東京大工学系研究科1年の草川靖大さん(23)は「技術的には欧米のものに負けていない」と話す。

 難問は月周回軌道への投入だ。学生たちは高度数百キロの地球低軌道に小型衛星を打ち上げた経験しかない。宇宙航空研究開発機構の協力をあおぎたいという。

 欧州や米国の学生らもそれぞれ11年の打ち上げを目指して検討を進めており、欧州宇宙機関(ESA)やNASAが積極的に支援している。どちらも小型の探査機で、2年ほど月の周りを回りながら重力場を観測する案を検討している。

 日本の探査機の打ち上げ時期は未定だが、欧米と同じころを目指す。小型衛星を手がける中須賀真一・東大教授は「月探査機は地上設備や打ち上げが大がかりになる。宇宙機構の協力が重要だ」と話している。

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