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2007年11月25日

 消費税論議がぶり返してきた。首相は来年度引き上げは否定したが、直後に首相の諮問機関・政府税調が引き上げを選択肢の一つ、と答申した

与党内でも意見が分かれる。議論をふきかける動きがあれば、抑えに回る勢力もある。引き上げ派からは「社会保障税」に名を改める声も出て来た。使途をはっきりさせて理解を得るのが狙いだが、名称変更は、過去にも出され、突き返された「古証文」である

名前の力で話が進むなら、苦労はない。「浪速の弁慶」を名乗ったボクサーは、ひ弱さをさらけ出した。プリンセスやらアジアの大砲やらと選手に愛称を付けたバレーの日本代表は、晴れ舞台で無念の涙を流し、北京五輪に手が届いていない

東京の銀座をまねて全国に銀座商店街があふれるように、「スカラ座」を名乗る映画館が各地にあった。金沢にも洋風の外観の小さな建物があって、名画や成人映画を上映していた

その「本家」がイタリア・ミラノにある歴史ある国立歌劇場と知ったのは、いい大人になってからである。「社会保障税」も、税金の無駄遣いという元凶から目をそらせようとする、厚かましい名前ではないか。


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