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おすすめの肉まん 熱々ハフハフ冬の味1位はすき焼きの老舗、「人形町今半」が作る「特選すき焼肉まん」。軟らかくも弾力のある生地が、味わい豊かなすき焼きを包み込む。一口食べると、和牛の香りとコクが口に広がり、1個で手軽に老舗の味が楽しめる一品だ。 「お焼き」のような平たい形で、ふっくらとした白い皮が特徴。生地の発酵にじっくり長い時間をかけたことで、キメが細かく、小麦のうまみが口に残るように仕上げた。自慢の黒毛和牛を使ったすき焼きは「中華と和風のいいところを取り入れ、個性を強調したコクのあるおいしさ」(町田さん)、「冷めてもおいしい。ギフトとしてあげたい」(島本さん)、「アイデア商品として評価」(ヤンさん)と、多くの専門家が高く評価した。 2位は「中国料理世界チャンピオン 皇朝」の「世界チャンピオンの肉まん」。10個入りで900円という安価だが「日本の肉まんが全体的にまだまだ発展途上にある中で、目立って完成度が高い」(シャウ・ウェイさん)との評価を得た。一口サイズの肉まんは、食べるとジュワッと肉汁が口に広がり、具のプリプリとした歯応えが楽しめる。濃厚だが、1個食べるともう1つ食べたいと思わせる味わいだ。 皇朝は2004年に横浜中華街に出店した新しい店。4年に1回、世界各国から参加者が集まる「中国料理世界大会」で優勝した料理人を4人集めており、新しい店ながら技術には自信を持つ。インパクトのある味わいと、繊細で美しい形が高い評価につながった。 3位以下は、直径10センチ以上ある大きな肉まんが多く並んだ。「本場中国のものは皮が薄く、直径10センチ程度の肉まんがほとんど。皮が厚く大ぶりのものは日本で変化した形」(シャウ・ウェイさん)という。 創業1899年の中華料理の老舗、維新號が作る「にくまん」が3位。大きさにボリュームはあるが、あんは豚肉に貝柱のだし汁を加えたもので、比較的薄味にできている。「具と皮の間に空洞があり、食べるときに別々になってしまうのがやや残念」との指摘もある一方、「味付けがいい」(前川さん)、「肉のうまみがあり、調った味」(君島さん)といった評価があった。 4位は東京都内の中華料理店、満月廬の「肉汁たっぷり手包み肉まん」。豚肉やシイタケなど具がたくさん入っている。「皮が厚すぎず、具とマッチしている」(シャーミンさん)、「しょうゆ系の味付けの中でもくどさがなくてよい」(吉久さん)などの声があった。 5位の大龍の「手造り大肉まん」は、生地を3度発酵させ、しっとり弾力のある食感に仕上げた。「本場に近い味わい」(パン・ウェイさん)、「皮と具のバランスがいい」(島本さん)との指摘があった。
温めはレンジより蒸し器 冷蔵や冷凍で届く肉まんは多くの場合、蒸し器での調理時間と、レンジで温める方法が書かれているが、蒸し器を使った方がよりおいしくできる。電子レンジで温めると、表面が乾燥しやすいためだ。 蒸し時間は大きさによって異なるため、確認が必要。金属の蒸し器や鍋を使って蒸す場合は「中華セイロに比べて火のあたりが強いので、2、3分ほど早めに火からおろし、そのまま2、3分置いてからふたをあけるとちょうどいい」(島本さん)という。 大きい肉まんなら最初はそのまま食べ、調味料をつけるのは途中からにすると、味に変化がついて最後まで楽しめる。しょうゆや練り辛子のほか、味付けの濃い肉まんに対しては黒酢を推す専門家も多かった。
【調査方法】
高島屋など全国7つの百貨店と楽天などが運営する4つのインターネット通販サイトの売れ筋を参考に、取り寄せ可能な19候補を選定。各ブランドが推す商品を、中華料理に詳しい料理研究家らに試食してもらい、アンケートに答えてもらった。専門家は次の通り(50音順、敬称略)。
アイリーン・ヤン(フードプランナー)▽君島佐和子(月刊誌「料理通信」編集長)▽島本美由紀(料理研究家)▽シャウ・ウェイ(中国家庭料理研究家)▽パン・ウェイ(中国料理研究家)▽町田えり子(料理研究家)▽前川メグ(同)▽ユウ・シャーミン(中国家庭薬膳料理研究家)▽吉久小夜子(料理研究家)
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