ここから本文エリア もし国連職員だったら何が出来るか・・・2007年11月24日
【日吉中の津下さん、作文コンで最高賞】 大津市立日吉中学校2年の津下みなみさんが、このほど日本国際連合協会が主催する「第47回国際理解・国際協力のための全国中学生作文コンテスト」で、最高の特賞・文部科学大臣賞を受賞した。津下さんが選んだタイトルは「もしも私が国連職員なら」。400字詰め原稿用紙4枚には、世界各地で貧困や戦争に苦しむ同世代の存在を知り、「自分には何が出来るか」を真剣に考え、悩む歳の女の子の心境がつづられている。(橋本新之介) 山のように積まれたゴミ。そのゴミを運んでくるトラックに群がる多くの大人や子供達 作文はこんな書き出しで始まる。今年6月にテレビ放送されたドキュメンタリー番組の一場面だ。フィリピン・マニラ郊外に住む代の少女は、ゴミの山から空き缶やポリ袋を探して換金し、一家の生計を立てていた。病弱な母親に代わって家事をこなし、一日中働きづめの姿に「親が子どもを養うのが当たり前と思っていたので、ショックを受けました」と、津下さん。 しばらくして、夏休みの宿題で作文が課された。文章を書くことは決して得意でないが、迷わずこの少女の話を盛り込むことを決めた。「多くの人に貧困を理由にやりたいことも出来ずに苦しむ子どもがいることを知ってほしかった。そして自分にも何か出来ないか、と考えてほしかった」。インターネットで国連の仕事を調べたり、飢餓についての新聞記事を読んだりして、いろんなデータを集めた。 そして考え、筆を執った。「私が国連の職員だったら何が出来るか」 全ての子供達が等しく教育を受けることができるよう環境を整える努力をしたい それが答えだった。「環境を整える」とは、教育の場を提供するだけでなく、子どもたちを学校から遠ざけている障害を取り除くことだ、と考える。子どもが働かないと生計が成り立たない家庭には食糧援助をしながら、親に職業訓練を受けさせて「自立」を促していきたい、という。 作文の最後は、こう締めくくられている。 広く教育が行き渡ったとき、様々な差別や宗教の違いによる争いなどもやがてはなくなると信じて、私は活動したいと思います 津下さんは来年の春休みを利用して、米国・ニューヨークの国連本部を訪問し、国連関係者と懇談する。世界のことをいろいろと考えている人たちと交流し、自分の出来ることは何かをじっくりと考える機会にしたい、という。「海外で恵まれない子どもたちのために働きたい」。将来の夢を語る彼女の目は、まっすぐ前を見据えていた。 マイタウン滋賀
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