パスタやピザなどさまざまなイタリア料理に使われ、同国では食材の王様格のトマト。その本場に中国産が押し寄せており、イタリアの農業生産者団体コルディレッティは国産ものの消費を呼び掛けている。
コルディレッティの発表によると、トマト製品の中国からの輸入量は近年増加し、今年は前年比163%の急増となった。中国は世界屈指のトマト生産国で、そのほとんどが輸出用。
イタリアが輸入したトマト製品は、そのまま瓶詰めされたり、味付け加工して「イタリア産」パスタソースとして出荷され、一部は輸出されている。
これまでの法令では、容器詰めした場所を産地として表示できたが、トマト農家が強く反対したため、来年1月からは、濃縮加工したトマトピューレについては原産地表示が義務付けられることになった。
コルディレッティのマリーニ会長は「皮むきトマトなどについても原産地表示を求めていく」と語った。
中国産トマト製品の安全性をめぐっては大きな問題は起きていないが、緑の党のデペトリス上院議員は「イタリアで禁止されている化学物質が含まれていないか徹底的な調査が必要」と話している。(ローマ共同)
毎日新聞 2007年11月24日 20時05分