【ジュネーブ=市村孝二巳】日米両国政府は希少な天然資源の輸出を制限する中国に対する批判を強めている。世界貿易機関(WTO)が23日開いた物品理事会で、コークスや蛍石などの世界最大の生産国である中国が輸出量を制限し、国際価格の高騰につながっていると指摘。日米は中国の措置がWTO協定や中国の加盟条約に違反するとみており、補助金問題や海賊版問題に続くWTO提訴につながる可能性も出てきた。
米国は中国が輸出を制限している12の品目を列挙し、「中国はモリブデンを除く11品目の世界最大の生産国だが、国内販売には何の制限もない」と指摘。輸出制限に伴う国際価格上昇は、国内で安く手に入る中国企業を有利にしており、国内外の企業を差別しないWTO協定の原則に反するとの考えを示した。(20:03)