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比叡山堂入り:真言の響き、過酷な荒行 星野圓道師が満行 /京都

 ◇「本物の信仰の力」を実感

 10月、6年ぶりに達成された比叡山延暦寺・無動寺谷の「明王堂参籠(さんろう)(堂入り)」は、水も食事も眠りも断ち、不動真言を唱え続ける過酷な荒行だ。堂入り中の9日間、霊場にふさわしい、張りつめた空気と祈りが周りに満ちていた。

 堂入り5日目の17日深夜、「取水」の列の通過を待った。本尊の不動明王に供える水を、約200メートル離れた山中の井戸から毎日運ぶ行だ。

 午前2時、森の中から静寂を裂いて真言が近づき、暗闇も赤みを帯び始めていく。やがて、松明(たいまつ)と提灯(ちょうちん)に導かれた行者が桶を担いで目の前を過ぎた。敬けんな光景に、思わず身が震えた。

 満行は21日未明。13日の初日を超える人々が明王堂前に集った。底冷えの星空の下、9日ぶりに明王堂のかんぬきが外され、助僧に両肩を支えられた行者が現れた。周囲を包んでいた緊張は徐々に安堵へと変わった。

 堂入りを経て「生き仏」となった星野圓道師は32歳。足かけ7年にわたる千日回峰行はまだ続く。その命がけの姿と、人々の真言の強い響きに、「本物の信仰の力」を実感した。【武井澄人】

毎日新聞 2007年11月14日

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